コマンドウルフ
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コマンドウルフ(COMMAND WOLF)は、タカラトミー(旧トミー)より発売されている『ゾイド』シリーズのひとつであり、またその背景設定に登場する架空の兵器である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
コマンドウルフ | |
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番号 | RHI-3(旧) RZ-009(新) |
所属 | ヘリック共和国 |
分類 | オオカミ型 |
全長 | 14.7m |
全高 | 7.9m |
全幅 | 5.9m |
重量 | 46t |
最高速度 | 200km/h(旧) 210km/h(新) |
武装 | 50mm対ゾイド2連装ビーム砲座 スモークディスチャージャー×2 エレクトロンバイトファング |
オオカミをモチーフとしたデザインであり、旧シリーズでは、サーベルタイガーに苦戦を強いられているヘリック共和国が開発した中型の高速戦闘ゾイドとなっている。僚機であるシールドライガーには最高速度で劣るものの、小回りがきき、操縦性のよさでパイロットからの信頼が高い。ハドリアンウォール防衛戦において初登場し、侵入してきたヘルキャットを翻弄して初陣を飾った。その後もシールドライガーとペアを組んで戦うことが多い。また、電子戦用ゾイドには劣るものの分析能力や索敵・追跡能力に優れており、敵勢力圏での情報収集活動や後方かく乱などの特殊任務、逆に味方勢力圏に潜入してきた敵の偵察部隊の発見・迎撃などの哨戒任務も担当している。
第二次大陸間戦争中期頃から矢継ぎ早に投入される新鋭ゾイドに対抗すべく、二連長距離砲と高機動ブースターからなるアタックユニットを追加装備したコマンドウルフAU(コロコロコミックでは当初、コマンドウルフ・アーティと記載されていた)も戦線に投入されはじめた。後述のコマンドウルフACも、このAUタイプをパイロットの技量に合わせてカスタム化したものである。 後継機としてシャドーフォックスとケーニッヒウルフが挙げられるが、前者は機体の基本設計と構造、及び方向性から実質的にガイロス帝国のライトニングサイクスなどの流れを汲む特殊作戦に特化したステルス機であり、後者は大型ゾイドゆえの量産性の低さと最大出力時の不安定性という欠点を抱えている。これらの事情は直系になりうる中型高速ゾイドの不在に繋がっており、旧式化した本機が改装されつつも第一線で運用され続ける要因であると思われる。
アニメではゾイド -ZOIDS-、ゾイド新世紀スラッシュゼロ、ゾイドフューザーズの3作の序盤において、主人公のライガー系ゾイドと共に活躍している。 ゾイドジェネシスではその立場をソードウルフに譲ったものの、まだまだ活躍しており、名脇役といえる一機である。
[編集] キット
オリジナルのキットは1986年に発売されたが、新旧シリーズを通じて、数々のマイナーチェンジにより、コマンドウルフのキットは群を抜いて種類が多い(旧シリーズノーマル、旧シリーズNEWタイプ、再販ノーマル、アーバイン仕様、GBソフト初回版特典の帝国仕様、GBソフト特典のブルー、RZ版AC、FZ版AC、コマンドストライカー、ホロテック、LCの11種類)。
海外でも、アニメ設定に準拠したものや各国独自の成型色のものといった正規品はいうに及ばず、コマーントウルフという偽物まで作られるほどの展開をみせている。
大型ゼンマイであるHiパワーユニットを動力とし、単純な四足歩行ギミックを有するが、連動ギミックはない。手動ギミックとしては、頭部キャノピーの開閉、下あごの開閉、頭部・頚部・尻尾の上下動及び背部砲塔の旋回がある。
本機特有の特殊ギミックとして、変速機構がある。これは、頚部を下げることによってその内側に備えた偏心バラストつきのギアとHiパワーユニット前方のギアとをかみ合わせ、バラストの負荷によって歩行速度を下げるものである。低速歩行時には、本来の重心の高さとあいまって、「うなだれてとぼとぼ歩く」ように見えるため、これを「かわいい」と評するファンもいる。
[編集] 機体バリエーション
[編集] コマンドウルフ アーバイン仕様
コマンドウルフ アーバイン仕様 | |
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番号 | Zi-024 |
分類 | オオカミ型 |
全長 | 14.7m |
全高 | 8.6m |
重量 | 48t |
最高速度 | 200km/h |
武装 | ロングレンジライフル スモークディスチャージャー×2 エレクトロンバイトファング |
アニメ『ゾイド -ZOIDS-』に登場。戦闘で傷つき乗り捨てられていた機体をアーバインが拾い、独自に改修したもの。その際規格外のパーツを多数使用したため、クセが強く、また一部のスペックも劣ることになった。が、反応速度などはむしろ向上している。本来コマンドウルフが装備するものではないロングレンジキャノンを装備し、大型ゾイドの装甲をも撃ち抜くことが出来る。
アーバインが最も信頼する「相棒」で、アーバインが別のゾイドに乗ると機嫌を悪くしたらしい。しかし、アーバインに忠実で、自分の身の限界まで戦った。しかしその悪運も尽き、レイヴンのジェノブレイカーとの戦いで致命傷を受けて動けなくなり、アーバイン本人も重傷を負う。
そんな時、帝国軍において開発されていたライトニングサイクスがテスト中に事故を起こし、戦闘データが損傷。そこでサイクスのメモリーをアーバインコマンドの戦闘データで修復する案が出された。アーバインは一度はこれを拒否するが、ムンベイの説得により、もう一度相棒と走る事を決意する。コマンドの戦闘データがサイクスに移植され、最初はかみ合わなかったものの、アーバインの気迫と共にシンクロ。サイクスの眼の色が、緑からコマンドのキャノピーのオレンジ色となった。結局、コマンドウルフの機体は失われたものの、ライトニングサイクスとして生まれ変わったのである。
[編集] コマンドウルフAC(アタックカスタム)
コマンドウルフAC | |
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番号 | RZ-042(ヘリック共和国) FZ-003(フューザーズ) |
分類 | オオカミ型 |
全長 | 14.7m |
全高 | 10m |
重量 | 66t |
最高速度 | 200km/h |
武装 | AZ2連装250mmロングレンジキャノン スタビライザー×2 アシスタンスブースター×2 エレクトロンバイトファング ストライククロー×4 スモークディスチャージャー×2 |
コマンドウルフの火力強化型。共和国軍特殊工作師団416部隊(コマンドウルフACのみで編成された遊撃部隊。青いカラーリングから通称「青の軍」と呼ばれる)に配備されたゾイド。彼らは西方大陸戦争終結後、帝国軍の落ち武者狩りに従事し、その任務の完了後、閃光師団(レイフォース)に編入され、シャドーフォックスと共にライガーゼロをサポートする。ただし、機動力の面で不安が残るためか、主に火力を生かした支援砲撃戦を担当している。
アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』では、チームブリッツのバラッドが搭乗。『ゾイドフューザーズ』ではチーム・マッハストームのマスクマンが搭乗している。
[編集] コマンドストライカー
コマンドストライカー | |
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番号 | FZ-012 |
分類 | オオカミ型 |
全長 | 14.7m |
全高 | 9.6m |
重量 | 58t |
最高速度 | 213km/h |
武装 | ザンブレイカー マルチブルキャノン×2 中型ミサイルポッド×2 小型ミサイルポッド×2 エレクトロンバイトファング ストライククロー×4 スモークディスチャージャー×2 Eシールド発生装置 |
アニメゾイドフューザーズに登場。ノーマルのコマンドウルフが、レオストライカーとユニゾンした形態。ユニゾンの際、カラーリングは青からグレーに変わる。