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ゾイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゾイド (ZOIDS) は、タカラトミー(旧トミー)から販売されている玩具シリーズ。1/72スケールという設定の恐竜動物を模した組み立てキットでゼンマイ動力や電動モーターによる歩行ギミックとストーリー性のある商品展開が特徴。また、本シリーズを元にテレビアニメコンピューターゲームカードゲーム等も制作されている。なお、ZOIDSという名称は「動物のような人工生物」を意味する「ZOIC ANDROIDS」から来ている造語である。 (2006年のある説明会ではZOICが「動物学の」と解説されていた)

目次

[編集] 歴史

1981年、ゾイドはアクショントイシリーズ「ZOIDS」として米国市場で発売され、ロサンゼルスを基地としたトミーコーポレーション向けにトミー(現タカラトミー)が製造輸出したTyrannazoid Terrazoid Protozoid (Tomy, Japan, 1981)の3体が初のゾイドである。

日本国内に於けるゾイドの前身は1982年に発売された「メカボニカシリーズ」である。工作キットの様な位置付けの商品としてゼンマイ駆動のメカギラス・メカファントス・メカトロスの3体が発売された(後にZOIDSシリーズ内にてガリウス・エレファンタス・グライドラーとして復活)が、売れ行きは芳しくなかった。

その一方で海外市場においては一定の成功を収めた。これを受け、日本でもアメリカ向け商品のそれを踏襲した展開へ仕切り直し、商品名を「メカ生体ZOIDS」と改め1983年5月に発売を開始した。さらに店頭展示を念頭に置いた電動モーター搭載の大型キット・ビガザウロをラインアップに加えた同シリーズは前年の不振を払拭。翌年にはシリーズの象徴とも言うべき機種ゴジュラスや帝国側ゾイドも発売され、ゾイド星(惑星Zi)におけるヘリック共和国ゼネバス帝国の対立を描いたゾイドバトルストーリーと相まって一挙に人気商品となった。1984年ごろ、ゾイドと世界観がよく似た「変幻機械獣スタリアス」という商品が展開されたが、短命に終わっている。また、イギリスをはじめヨーロッパオーストラリアでも販売され、日本版とは異なる背景設定が漫画の形で発表された。アメリカでも1985年に「ROBOSTRUX」として再度発売されたが、市場調査の不足により短命で終わった。

1987年に東芝EMIがゾイドシリーズ初のファミリーコンピュータ用ゲームソフト「ゾイド-中央大陸の戦い-」を発売し、1988年には1/24スケールのゾイドである24ゾイドが登場するなど多角的に商品展開され、1989年には新勢力であるガイロス帝国(暗黒軍)が登場したが、1990年11月に発売されたデスキャットを最後にゾイドシリーズは一度終焉を迎え、人型電動歩行キット「装甲巨神Zナイト(ズィー・ナイト)」シリーズに引き継がれた。

1990年代後半、インターネットの普及に伴い、Web上で旧来のゾイドファンに向けたコンテンツの提供が開始され、欧米では「TECHNOZOIDS」や「ZOIDS2」が販売された。日本でも1997年から公式ウェブサイトの設立やゲームショウといったイベントでゾイドの限定販売が行われるようになった。1998年3月の東京ゲームショーにて少量再生産されたダークホーンが販売された。この時の売れ残りはその後、改造コンテストの景品用として小売店に配布された。1998年10月には韓国からZOIDS2をトミー側が買い戻し、東京ゲームショーに於いて数量限定の販売が行われた。会場内では16画面によるデモムービーも放映、またその最後に「1999年何かが起こる」と発表され、ファンの期待を膨らませた。

こうした下準備を経て、1999年8月、ゾイドは新シリーズとして再スタートし、9月からは毎日放送によるテレビアニメも放映された。当初の商品群は旧シリーズのキットの色換え復刻再販だったがジェノザウラーブレードライガーを皮切りに新作キットも登場するようになり、旧来のファンだけでなく新たなファン層の開拓にも成功し、欧米やオーストラリア等でも再び商品展開が行われた。アニメ終了と共に一時下火となったが、ゾイドブロックスシリーズの登場等により息を吹き返し、2003年には国内販売20周年を迎えた長期シリーズ(ただし、91~99年の停止期間を差し引きすればゾイドの展開は2003年の時点では12年)となった。

2004年からはテレビ東京によるテレビアニメの放映も再開。アメリカで先んじて放映されたアニメ『ゾイドフューザーズ』、翌2005年には完全な新作の『ゾイドジェネシス』を軸にした商品展開が行われた。そしてゾイドジェネシスが終了し、今後のアニメシリーズについては現時点では制作の予定は発表されてない。

2006年4月からブロックスを更に発展させた新シリーズネオブロックスが展開された。2006年にはタカラトミー初のオンラインゲームでもある「ゾイドオンラインウォーズ」の運営が開始された。

[編集] 主な玩具シリーズ作品

[編集] 1/72スケール組み立てキット

ゾイドのメインとなるシリーズであり、大きく分けると電動モーター駆動によるキットとゼンマイ駆動のキットに二別される。さらに電動モーター駆動キットは大型キットと中型キットに分けられ(さらに超大型キットに分ける場合もある)、ゼンマイ駆動キットも中型と小型に分けられる。また、SSゾイドやアタックゾイドのように歩行ギミックを持たないゾイドも存在する。BLOXシリーズも設定と玩具の仕様両面でこの範疇に含まれる。

ゾイドジェネシス終了後、1/72スケール組み立てキットは殆どの製品が生産休止状態(2005年まで再出荷は行われていたが、現在は行われていない)になっているため、現在は非常に入手困難である。ちなみに過去にも少数しか生産されず入手困難になった例もある。これは当時のトミーの財政事情とゾイド新世紀スラッシュゼロ終了後、ゾイドが下火になって低迷し、生産数を絞らなければならないと言う事情があったからである。そのため、スラッシュゼロ終了直後に販売されたゾイドはのちに再出荷された製品を除けば極端に生産数が少ない。製造が国内の直営工場から、中国タイなど海外に外注になったことで小口需要に対応しにくくなったのではないかとの指摘がある。それゆえに中古の玩具を扱う業者やネットオークションなどで高価がついたり、中古の玩具を転売して利ざやを稼ごうとする人間(俗に転売屋と言う)が出現したりしている。

絶版となった旧シリーズともなれば、ゼンマイ駆動の小型ゾイドですら状態にもよるが、数千円ないし一万円以上の値がついているものもある(当時の価格は580~780円)ギル・ベイダーやキングゴジュラスなどのような大物に至っては10万円以上の値がついた事もあった。また、初の電動ゾイドであるビガザウロには22万円の値が付いたことが確認されている。

商品は以下の項目を参照。

超巨大ゾイド
巨大ゾイド
大型ゾイド
中型ゾイド
小型ゾイド
カスタマイズパーツ
メカボニカ
ゾイドの前身に当たるシリーズ。不調だった為にトミーがこのラインナップに、ストーリー背景とビガザウロを加えてリニューアル販売したのが最初のゾイドである。

(以下、メカボニカ名称 - ゾイド名称の順)

  • メカギラス- ガリウス
  • メカトロス - グライドラー
  • メカファントス - エレファンタス
ゾイドMZ
旧シリーズ終了後に発売されたシリーズ。海外で生産したゾイドをトミーメイト(現ユージン)が輸入し、スーパー等の食品売り場の玩具コーナー用に販売した。グランチュラとザットンが色違いで販売された。
RZ・EZシリーズ
1999年に復活したゾイドのシリーズ。ゾイドバトルストーリーが世界観のバックとなっており、パッケージにはストーリーの概要が記載されている。共和国と帝国ひとまとめで通しのナンバリングが振られているが、共和国側の機種はRZ、帝国側はEZが番号の頭に付く。全76種類(限定生産製品、店舗限定販売製品を除く)で展開は終了。タカラトミーと特約を結んだトイザラスは2005年まで再生産キットの販売を行ったが、最近は大幅な値下げするなど不良在庫と化しているのでこれからは出入荷されないと思われる。
サイバードライブゾイド
赤外線通信によるラジコンゾイド。BB弾発射機構を持ち対戦を前提としたシリーズ。また、ゲームボーイアドバンス用ソフト『機獣の戦士ヒュウ』が発売された。2種類。
FZシリーズ
アニメ『ゾイドフューザーズ』の放映に合わせて販売されたシリーズ。基本的にはRZ・EZシリーズ商品のカラーバリエーションで構成されているが、アニメの設定にあわせ合体用パーツなどが追加されたものもある。フューザーズ制作時期の関係から、発売直前までの国内商品とラインナップが重複し、さらに値上げされていたことから不評を買った。ゾイドジェネシスの展開により、全22種類で生産終了(限定生産販売製品を除く)
GZシリーズ
アニメ『ゾイドジェネシス』の放映に合わせて販売されたシリーズ。アニメ用に新規開発された商品と従来の商品のカラーバリエーションの両方で構成されている。レドラーはZキャンペーンの賞品として配布された。アニメ終了とネオブロックスシリーズの展開により全15種類で生産終了(店舗限定販売製品を除く)
バイオゾイド
詳細はバイオゾイド参照。
アタックゾイド
詳細はアタックゾイド参照。

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[編集] 24(ツーフォー)シリーズ

詳細は24ゾイドを参照。

[編集] ゾイドブロックス

詳細はゾイドブロックスを参照。

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[編集] ゾイド関連商品

ゾイドコレクション
ユージンから発売されたノンスケールのカプセルトイ。同シリーズは11弾までリリースされた。6弾以降、シークレットが装甲巨神Zナイトになっている。第6弾Zナイト 第7弾マリンカイザー 第8弾ゼロス 第9弾鎧武(ガイム)第10弾イーグルヘッド 第11弾フレイムソルである。
ゾイドコレクションDX
ゾイドコレクションと連動した移動要塞シリーズ。ホエールキング、ホバーカーゴ、ドラグーンネストの3種類がリリースされた。
ゾイドアートスタチュー
ゾイドのトレーディングフィギュアシリーズ。3弾までリリースされた。原型製作はコトブキヤ。4弾も企画されたが、これは「ゾイドアクションアートコレクション」という別シリーズでユージンが販売した。ちなみにこちらも2弾までリリースされた。なお、試作として製作されたビガザウロとベアファイターのスタチューは商品化されなかった。
ゾイドヘッドコレクション
ゾイドの頭部を精巧に作り上げたトレーディングフュギュアシリーズ。13種類リリースされた。
ゾイコロ
ゾイドをSD化したチョロQ。旧シリーズ時代では14種類リリースされた。1999年のゾイド復活に合わせて復刻の予定があったが、実現しなかった。
ゾイドクイックキット
組立てを簡略化されたシリーズ。3種類。
ゼブラゾイド
製作はトミー、販売はゼブラ。ランナー付の組み立て式だが材質は消しゴムで、シャーペンが付属し、完成品にミサイルとして装備させる。キャッチフレーズは『敵をただちに「消去」せよ! 』

(以下、形式番号 - 名称 - 型の順)

  • ZK-01 - ゾリオン - サソリ型
  • ZK-02 - マディオス - カマキリ型
  • ZK-03 - タランドス - クワガタ型
ガタローガム
カバヤから発売された食玩。時代劇風のコミカルな二頭身キャラにアレンジされたゾイドの組み立てモデルが付属。ゼンマイで歩く機能付き。

主な種類

  • ウル殿(ウルトラザウルスがモチーフ)
  • アイアン弁慶(アイアンコングがモチーフ)
  • シールド銭形(シールドライガーがモチーフ)
  • サーベル才蔵(サーベルタイガーがモチーフ)

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[編集] アニメ

これ以外に、1985年頃に製作されたプロモーションアニメが存在する。2001東京おもちゃショーにて公開された。

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[編集] 漫画

[編集] 雑誌連載

  • ゾイド創世記(青年のジョー2話分と少年のジョー4話分)
    作者・おちよしひこ(現・越智義彦)
  • 特攻!! ゾイド少年隊(コミック未掲載有り)
    作者・青木たかお
  • 機獣新世紀・ZOIDS
    作者・上山道郎
  • ZOIDSバトルカード戦士コマンダーTERU
    作者・溝渕誠
  • ZOIDS惑星Zi
    作者・塩崎雄二
  • 鉄魂ZOIDS核闘技
    作者・溝渕誠

[編集] Webコミック

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[編集] ゲーム

[編集] コンピュータゲーム

特に注記の無い限りトミー(現タカラトミー)発売(カッコ内は制作発注先)

[編集] トレーディングカードゲーム

  • ゾイド・バトルカードゲーム
  • ゾイド・スクランブル
  • ゾイドカードコロシアム(トレーディングカード方式のアーケードゲーム)

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[編集] その他

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[編集] 海外展開

[編集] 旧海外ゾイド

年代 発売地域 販売会社 シリーズ名称 特徴
1980年代 ヨーロッパ(主にイギリス) TOMY-UK製 ZOIDS/SUPERZOIDS(UK版と呼称) 共和国と帝国がBLUE ZOIDS・RED ZOIDSという陣営に分かれており、いくつかのゾイドの所属と色が反転している。例として赤いプテラス・黒灰のアイアンコング等。ストーリー背景に漫画が存在し、主役はBLUEはゴジュラス、REDはレッドホーン。後半にゾイド統一を目指す赤いサラマンダーと生き残りのゾイド星人の立てこもる基地に司令ゾイドとして黒と灰色のアイアンコング、このシリーズでしか見られないオリジナルゾイド、POWER ZOIDS(タンク、サーペント)が存在する。
1984~1985年 アメリカ TOMY-UK製 ROBOSTRUX 薄い青・緑を貴重としたカラーリングが特徴。
1991~1995年 ヨーロッパ(主にイギリス) TOMY-UK製 ZOIDS2 メッキと唐草模様を取り入れたシリーズ。一部が1998年10月の東京ゲームショーでテスト販売された。
1994年~1995年 北米 Kenner製 TECHNO ZOIDS 白・メッキを基調としたカラーリングのシリーズ。一部ZOIDS2と同一ものがある。オルディオス・バトルクーガー・ジークドーベル・マッドサンダーなどがキット化された。

[編集] 現行海外ゾイド

  • ハスブロ版
米大手玩具名ーカーのハスブロ社から発売されているシリーズ。海外放映された『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』・『ゾイドフューザーズ』に登場するゾイドが主だが、日本未販売のオリジナルゾイドや未再販のバトルクーガーを発売している。カラーリングを変更したものや、日本未販売のクリア(ホロテック)ゾイドも販売している。
  • アジア限定版
台湾や中国等のアジア圏でトミーより発売されているゾイド。カノンダイバー深海仕様・ブレードライガー森林・夜間戦闘仕様の2種類がある。他にコマンドウルフやサイカーチス等のメッキ版も確認されている。

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[編集] ゾイドの評価

[編集] 人気の要因

ゾイドの魅力・人気となった要因としては、以下のような点が挙げられている。

  • 様々な動物や恐竜などをモチーフにし、それらをメカに置き換えたデザイン。機動戦士ガンダムなどのロボット・メカキャラクターには見られない点。
  • 接着剤を使わないスナップフィットキットで簡単に組み立てられ、接合部にゴムキャップを使う点も斬新である。ただし、このゴムキャップは耐久性が低く1年も置けば亀裂が入り、使い物にならなくなる。近年発売されたレブラプター、ガンスナイパー、ライガーゼロバーサークフューラーなどはゴムキャップのデザインが新しくなって改良されているが、素材そのものは改良されてないため、やはり亀裂が入ることがある。

  なお、ゴムキャップの素材は旧シリーズと復活後では違うようで旧シリーズの方が心なしか丈夫のようである。

  • 重厚な世界観と舞台背景。児童向けシリーズながらストーリーは単純な勧善懲悪のレベルに留まらず、主役のヘリック共和国側はもちろん、敵役のゼネバス帝国側にもファンが存在する。また、80年代のシリーズ全盛期には他のキャラクター玩具・模型と比較するとメカデザインの精緻さ、ゼンマイ・モーターを動力にクランクシャフトやカムなどを利用した機構の面で一歩抜きん出た存在であった。あまり知られてないが、これらはこち亀(45巻、101ページ)においても評価されている。作中で両津勘吉は「動きの楽しさ、オモチャの基本姿勢に則った傑作」と評した。

[編集] 歴史の空白

1990年に一旦終了しているゾイドに関して、インターネット上のファンページなどでは以下のような意見が挙げられている。

  • 高価格化 - 当初、580円の小型のゼンマイで動くキットから始まったゾイドは徐々に電動化がなされ、1989年ごろにはほぼ全てが電動モデルとなった。最高価格はキングゴジュラスの7,980円である。ゼンマイで動くゾイドは1,000円のカノンフォートが最後で最低価格も1,300円となっていた。
  • 次々に「最強」ゾイドが送り込まれたこと - ウルトラザウルス以来、敵の最強ゾイドを倒すため、さらに強いゾイドを作られ・・・ということを繰り返したため。
  • 規格統一に伴う没個性化 - 80年代末、ゾイドは海外市場を重視したシリーズのリニューアルを企図。海外において煩雑との指摘があった組立手順を簡素化するための部品点数削減がなされ、小型・中型・大型の3種ごとに共通フレームを用いる合理化が図られた。それがデザインの没個性化を招き、躍動感も損なわれた。
  • 極端なイメージチェンジ - 前述の組立簡素化に加え、原色とメッキパーツを多用した派手な装飾・カラーリングが用いられ、設定面でも従来機と次元の異なる圧倒的高性能が付与された。いわゆるテコ入れである。しかし極端な方針転換は旧来のファンの反発を招き、企図した新規顧客の獲得にも失敗する結果に終わった。

[編集] 新展開と賛否両論

2005年以降の新展開においても賛否両論がある。

  • 半完成品の登場 - プラモデルの組み立てが出来ない低年齢層に対する配慮から生まれたムラサメライガーなどの半完成品の登場で「組み立てる工程」が失われた(以前の大部分のゾイドについては接合部がゴムキャップで留めてあり分解は容易である)そのため、「ゾイドの新機軸」との肯定派と「ゾイドとは別物」との否定派に分かれることとなった。
  • 公式設定の曖昧さ - ゾイドの正史と言えるゾイドバトルストーリーの展開終了後、ホビージャパン電撃ホビーマガジンのような雑誌企画によるバトルストーリーとは無関係の独自展開が行われている。これは「意図的に設定を不明瞭にし、ユーザー側が自由に想像を膨らませて楽しめるようにという配慮」(ホビージャパン2004年12月号、ゾイド担当者のインタビュー記事より)の結果である。なお、小学館が発行したゾイドに関する資料・関連書籍は「ゾイドバトルストーリー」や「ゾイドファンブック」などがある。
  • 他企業とのコラボレーション - 現行の路線とは別に、第一作のアニメを視聴していたファン層やモデラーをターゲットに、コトブキヤとのコラボレーションによる1/72スケール組立て式プラスチックキット"ハイエンドマスターモデルシリーズ(HMMシリーズ)"が企画され、2006年11月に第一弾シールドライガーが発売された。モーターあるいはゼンマイによる駆動ギミック内蔵によって犠牲となっていた動物らしいプロポーションや全身の可動、より細部を綿密に再現することに重点が置かれ、総パーツ数は400を超える。第二弾としてコマンドウルフの発売も決定しており、今後の展開が注目されている。
  • 最強ゾイドの台頭化 - 過去同様の強さのインフレが発生してしまっている。例として新製品の商品説明欄に少し前の最強ゾイドをいとも簡単に倒す、対抗できるゾイドは存在しないなどの表現に難色を示すファンも多い。さらに旧キットを新たに再販するに際し宣伝の都合上、これら数十年前のゾイドが新型機にも対抗可能という説明に苦しむ設定にせざるを得ず、世界観の不条理・不整合を助長している。現在のゾイドはネオブロックスという「組み替えによる改造」に力を入れているが、従来の路線からの変更はファンの間で賛否両論となっている。

[編集] 他作品との関連性

「ゴジュラス」や「モルガ」などのネーミングや姿が酷似したキャラクターが存在することから、映画「ゴジラ」シリーズとの類似性を指摘されている。また、異星を舞台に帝国の脅威に立ち向かう共和国という世界観、外装に細緻なメカモールドを配した兵器群などからは映画「スターウォーズ」シリーズの影響が見て取れる。

ゾイドはアニメの主役機など一部例外を除いて量産兵器という位置づけであり、「機動戦士ガンダム」に代表されるリアルロボット系の作品と認識され、人型機体が登場しないほぼ唯一のリアルロボット作品と言える。他作品においてロボットは艦艇航空機、車両などと並ぶ兵器の一種であるのに対し、ゾイドはこれら全てを包括する広汎な兵器体系であることも大きな特徴である。

[編集] ゾイドにおける荷電粒子砲

トミー(現タカラトミー)の玩具シリーズ「ゾイド」の世界設定では荷電粒子砲はゾイド戦における最強兵器の一つとして位置付けられており、ミサイルや機関砲などの火器とは一線を画すものとして扱われている。

デスザウラージェノザウラーバーサークフューラーなどが装備している。デスザウラーやジェノブレイカー、セイスモサウルスは空気中から直接荷電粒子を吸収するが、バーサークフューラーデススティンガーは荷電粒子ジェネレーターなどによって体内で荷電粒子を生み出している。照射した物質を原子レベルまで分解する荷電粒子砲は物理的な装甲では防御不可能であり、この装備がデスザウラーの無敵時代を築き上げた大きな要因である事に違いはない。ゴドスやサイカーチス、ディロフォースなどが小型の荷電粒子砲を装備しているが、当然ジェノザウラーのような敵ゾイドを一撃で撃破するほどの威力は無い。

現実の物理法則では、粒子を光速に加速することは原理的に不可能である。そのため、粒子ビームは亜光速で射出されるというのが常識的なSF設定であるが、ゾイドではデスザウラーの大口径荷電粒子砲はシンクロトロンジェネレータにより光速にまで加速されていると設定されている。

[編集] 外部リンク

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