コレージュ・ド・フランス
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コレージュ・ド・フランス(Collège de France)は、フランスにおける学問・教育の頂点に位置する国立の高等教育機関。略称(記号)はCdF。
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[編集] 概要
講義自体は公開されており、一般の人々が聴取することができるため、形式的には「市民大学」的なものとなっている。試験や学位授与などもない。約50の講座があり、教授はフランス学士院とコレージュ教授団の推薦により任命される。教授に選任されることは、フランスの当該領域における最高の権威として位置づけられることを意味する。事実、当校の教授は年間十数回程度の講義以外の義務を負わず、テーマの選定を含め学問上の一切の自由が保障されており、報酬も高額である。
[編集] 沿革
1530年に、フランス初のルネサンス君主といわれるフランソワ1世によって創設された「王立教授団」に由来する。スコラ学の牙城であったパリ大学(ソルボンヌ)に対し、自由な学問の研究機関として啓蒙的な役割を果たした。設立当時の教授団はヘブライ語、古代ギリシア語、ラテン語、数学の教員6人であった(当時、ヘブライ語、ギリシア語を学ぶことは聖書の原典批判に通じるとして非難を受けることがあった)。1870年にコレージュ・ド・フランスとなった。
[編集] 教授に就任した主な人物
- 文学
- 哲学
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- アンリ・ベルクソン (Henri Bergson)
- モーリス・メルロー=ポンティ (Maurice Merleau - Ponty)
- ミシェル・フーコー (Michel Foucault)
- ジャック・ブーヴレス (Jacques Bouveresse)
- イアン・ハッキング (Ian Hacking)
- 美学・美術史
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- マルク・フュマロリ (Marc Fumaroli)
- 高階秀爾 (招聘教授)
- 音楽
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- ピエール・ブーレーズ (Pierre Boulez)
- 歴史学
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- フェルナン・ブローデル (Fernand Braudel)
- リュシアン・フェーヴル (Lucien Febvre)
- ロジェ・ディオン (Roger Dion)
- ジュール・ミシュレ (Jules Michelet)
- 人類学
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- クロード・レヴィ=ストロース (Claude Lévi - Strauss)
- マーティン・ピックフォード (Martin Pickford)
- 社会学
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- ピエール・ブルデュー (Pierre Bourdieu)
- ピエール・ロザンヴァロン (Pierre Rosanvallon)
- レイモン・アロン (Raymond Aron)
- 経済学
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- ミシェル・シュヴァリエ (Michel Chevalier)
- 医学・生物学
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- フランソワ・ジャコブ (Francois Jacob)
- アラン・ベルトス (Alain Berthoz)
- ジャック・リュシアン・モノー (Jacques Lucien Monod)
- 数学
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- ジャン=ピエール・セール (Jean - Pierre Serre)
- ジャック=ルイ・リオンス (Jaques - Lous Lions)
- アラン・コンヌ (Alain Connes)
- ピエール=ルイ・リオンス (Pierre - Lous Lions)
- ドン・ザギエ (Don Bernard Zagier)
- ジャン=クリストフ・ヨッコス (Jean-Christophe Yoccoz)
- 物理学
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- ジャン・フレデリック・ジョリオ=キュリー (Jean Frederic Joliot-Curie)
- アンドレ・マリー・アンペール (Andre Marie Ampere)
- ピエール=ジル・ド・ジャンヌ (Pierre - Gilles de Gennes)
- クロード・コーエンタンヌージ
- 天文学
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- グザビエ・ル・ピション (Xavier Le Pichon)
- ジャック・フィリップ・マリー・ビネ (Jacques Philippe Marie Binet)