シモン・アマン
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ノルディックスキー スキージャンプ |
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金 | 2002 | 個人ノーマルヒル |
金 | 2002 | 個人ラージヒル |
シモン・アマン(Simon Ammann、1981年6月25日 - )は、スイスのスキージャンプ選手。身長172cm。愛称は「Simi(シミー)」。
スイス東部の小村グラブスで、細々と酪農を営む父ハインリッヒ、母マルグリットの間に、5人兄弟の真ん中として生まれる。
FISワールドカップの1997-1998シーズンにデビュー。1998年に16歳で出場した長野オリンピックは、ノーマルヒル35位、ラージヒル39位だった。
ソルトレイクシティオリンピック直前の2002年1月11日、ドイツで行われたW杯ビリンゲン大会の公式練習中に、空中でバランスを崩して頭から地面に突っ込んで脳震盪を起こし、むちうちになって首にコルセットをつけるほどの怪我を負った。五輪出場が危ぶまれたが、復帰し出場。
2月10日に行われたノーマルヒル決勝は、1回目98メートル、2回目98.5メートルとそろえ、優勝候補のアダム・マリシュ(ポーランド)を6点差、スベン・ハンナバルト(ドイツ)を1.5点差でかわす269.0点で、スイスにジャンプ競技初の金メダルをもたらした。
2月13日に行われたラージヒル決勝でも、1回目の132.5メートルから2回目にさらに最長不倒の133メートルと伸ばし、合計281.4点で金メダルを獲得。1988年カルガリー五輪のマッチ・ニッカネン(フィンランド)以来史上2人目の個人2冠に輝いた。(2月18日に行われた団体では7位に終わり、ニッカネン以来の3冠はならなかった。)
アルペンスキー強国というイメージがあるスイスから突然現れたスターに、国際スキー連盟のジャンプ競技運営責任者ワルター・ホファーは、魔法使いの少年が突然その能力に目覚めるストーリーをアマンに重ね、「スキー界のハリー・ポッターだ」と叫んだ(確かに、眼鏡をかけた彼はハリーによく似ていた)。スポーツ新聞には「魔法のホウキならぬスキー板に乗った」と書かれた。
以降は不調で、2006年のトリノオリンピックはノーマルヒル38位、ラージヒル15位に終わった。
2007年シーズンは、ワールドカップでも優勝を含め何度も表彰台に上がっている。2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会では2月24日に大倉山ジャンプ競技場で行われたラージヒル個人で優勝したほか、翌日同所で行われたラージヒル団体でもスイスは表彰台に上れなかったものの彼は2本とも大倉山のヒルサイズ134メートルを越える大ジャンプを披露した。3月3日に行われたノーマルヒル個人でも銀メダルを獲得した。
2006年からスイス連邦工科大学チューリッヒ校に通っている。