ジシアン
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ジシアン | |
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IUPAC名 | エタンジニトリル |
別名 | 青素、シュウ酸ジニトリル、 シアノゲン、シアン |
組成式 | C2N2 |
式量 | 52.04 g/mol |
形状 | 無色気体 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | 460-19-5 |
密度と相 | 0.95 g/cm3, −21 ℃ |
水への溶解度 | g/100 mL ( ℃) |
融点 | −27.9 ℃ |
沸点 | −21.2 ℃ |
出典 | ICSC |
ジシアン (Dicyan) は化学式 (CN)2 で表わされる化合物である。一般にシアンとはこの物質またはシアノ基のことを指す。青素、シュウ酸ジニトリル (oxalonitrile)、英語ではシアノゲン (cyanogen)、ドイツ語ではシアン (Cyan) とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 製法
温めた硫酸銅(II)水溶液にシアン化アルカリの濃い水溶液を加えて得る。五酸化二リンによるオキサミド(シュウ酸アミド、H2NC(=O)C(=O)NH2)の脱水、炭素と窒素の高温加熱、重金属シアン化合物の熱分解などによっても得られる。
[編集] 性質
シアノ基同士が結合した構造を持ち、特有の臭気をもつ無色の気体または液体である。一価の化合物をつくることや、冷水と反応してシアン化水素とシアン酸を生ずるなど、ハロゲン元素と似た性質を示す。シアンは猛毒である。
エーテルに比較的溶けやすい。塩酸中でスズと反応させるとエチレンジアミンに還元される。高温で長時間加熱すると重合体のパラシアンを生成し、この重合は光をあてることによって促進される。パラシアンは不溶液の黒褐色の粉末で、800 ℃以上に熱するとシアンに分解する。
ジシアンを酸素と混合し至適混合気として燃焼させると 4600 ℃ という高温となる。桃色の炎を上げて燃える。
[編集] 化合物
[編集] 無機塩類
[編集] 有機シアン化合物
- シアノメタン (CH3CN)
- ジシアノメタン (CH2(CN)2)
- シアノホルム (CH(CN)3)
- シアン化炭素 (C(CN)4)
[編集] 関連項目
- 海洋投棄規約条約