スイフリー
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スイフリーは、日本のテーブルトークRPG (TRPG) リプレイ作品、『ソード・ワールドRPG』リプレイ第3部に登場するプレイヤーキャラクターの名前。架空の人物。エルフ。140歳(連載開始時)。
プレイヤーは水野良といわれている[1]。ちなみに、「スイフリー」と言う名前は「水野良」→「水/野良」→「水→スイ/野良→free」→「スイフリー」と水野良のアナグラム的なものとなる。
[編集] 人物像
人間社会を研究するために森から出てきたエルフであったが、冒険を重ねる過程において急速に人間社会に順応し、人間以上に人間社会の制度や慣習を利用することに長けたエルフになっていった。その知性は"指し手"ルキアルに並ぶと自称しており、実際にその自称に違わぬ策士振りを発揮している。しかし、「言葉の魔術師」とも評される法律用語や正論を散りばめた言い逃れ封じや、危機の真っ只中にある人間に対して明確な報酬を要求するなど、彼の言動は邪悪な人間あるいはダークエルフを髣髴とさせ、「あの耳はつけ耳だ」「あの肌は白粉(おしろい)だ」などと揶揄されることになる。
リプレイ中の数々の問題発言に対してGMがペナルティー的に導入したエピソードとして、本来はエルフには修得できない(ダークエルフには修得できる)暗黒司祭技能を一時修得するというものがある。しかも暗黒魔法が使えなくなった後、「思ったほど使えないから、いらない」と言い放つなど、反省の色は微塵も無かった。なお、小説ではスイフリーはダークエルフ扱いされる事を激しく嫌っているが、リプレイではむしろエルフより魔法抵抗が高い事からダークエルフ、あるいは魔神になりたがっていた。「デーモン・アゲイン」では自らのエルフ族を「レッサー・エルフ」とまで表現している。 このほか、彼のキャラクターを表す出来事としてイラストに「信用手形を勘定したり貯金を埋蔵・隠匿する」「耳の先が黒くなっている」などの姿で描かれるというものがある。
しかしながら冷酷無情な秀才型の策士ではなく、怒りや悲しみの感情に理性を曇らされたこと、自らの怒りから他者の心情を斟酌した振舞い、方便を用いた腹芸で問題の根本的解決を図ったことなども少なからずあり、そうした振舞いは多くの読者の共感を得て人気を博した。また過激な発言が印象的で誤解を招いている面もあり、実際の行動・選択においては過激でも非常識でもなく、むしろ考え抜かれた慎重な行動を取ることが多い。なお、スイフリーが強い怒りを覚えた相手は「人間じゃないから」という理由でスイフリーを抹殺しようとしたアーチーのお見合い相手のアーリア・クィロートと、ブラート近辺の村を壊滅させたワイトである。また、友人のマーマンの危機に自分から救援に行く事を表明した事もある。
弁舌と知略を旨とするがゆえに、理屈の通じない子供や狂人を大の苦手とし、これに関する対処法だけはついに会得できなかった(リプレイ中泣いている子供に「そこの子供、泣き止むんだ」と言い放ち仲間を呆然とさせたことがある)。また、同じ理由で法と正義を司る至高神ファリスの名を説教の際に口に出すのも苦手であり、動悸すら起きることから仲間にそこだけ代わりに言わせたりそれと言い換えることで対処している。
リプレイ後半ではついに世俗的な領土欲に目覚め、「デーモン・アゲイン」に至ってエルフ千年王国の建設を言い出すに至るが、どれほど本気で言っているのかは謎である。
[編集] 完全版に与えた影響
魔晶石に蓄えられた精神力と自分の精神力を同時に使用することはできない、精霊魔法「インビジビリティ」「スリープ」に関するルール改変、魔法の達成値拡大の制限など、スイフリーが採った戦術に由来するルール改訂は多く、「旧ルールの破壊者」なる異名まで存在する。
また、彼とクレア・バーンロードの関係はゲームマスター、読者ともに「ハーフエルフ誕生の過程の例示」として扱っていた。しかし、「デーモン・アゲイン」ではクレアの事を「変な女」呼ばわりしている。