スジ肉
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スジ肉(すじにく)とは、食肉のアキレス腱の部分、または腱が付いた肉のことである。また横隔膜の一部も肉質が近似していることから、スジ肉として扱われている。流通しているスジ肉の大多数は肉牛のもので、牛のアキレス腱は特に「牛スジ」とよばれている。
スジ肉は、長時間煮込まないと柔らかくならず、少々臭みがあるために需要があまりない。そのため廃棄部分になりやすい。また、店頭に出回ること自体が少ない現状から、売価も他の部位と変わらないことが多く、このため一般家庭で調理されることは少ない。しかし、スジ肉は長時間煮込むことによって柔らかくなり、臭みが消え、ダシが出るため、手間を惜しまなければ美味しい食材として利用可能である。写真家で料理研究家でもある西川治は、牛スジ肉だけで料理本を一冊書いている[1]ほどである。
家庭で煮込む場合は、圧力鍋を用いると大幅に時間が短縮できて便利である。ただし用いる部位によっては、かなり脂の強い食材であるため、煮汁の上に浮いてくる脂肪分を丁寧に取り除くことが必要となるが、一晩冷やせば脂肪が固まるので簡単に取ることができる。大量に煮て小分けにしたものを冷凍しておけば便利である。
なお、スジ肉およびその煮汁は多量のゼラチン質が含まれており、味をつけて煮た野菜などと一緒に冷やすと固まり、ゼリー寄せ、あるいは煮凝りができる。ゼラチン質はコラーゲンの塊のようなものであることから、美容を意識して食べる事も勧められるが、その場合は前述した脂について留意したほうが良い。
牛スジは、関西の居酒屋やおでん屋で供されていることが多かったが、コンビニエンスストアがおでんの種として用いたことにより、全国規模で普及するようになった。
[編集] 脚注
- ^ マガジンハウス『SUJI MADNESS―男の料理 すじ肉』 ISBN 4838707312
[編集] 関連項目
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