ストラングラーズ
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ストラングラーズ (The Stranglers) は、70年代のイギリスのパンクロックシーンで最も人気があったバンドである。パンクロックやニューウェイブの元祖的存在。
スウェーデンでジョニーソックスというバンドをやっていたヒュー・コーンウェル(g,vo)は、1974年、ロンドンに戻り、凄まじくへヴィなベースを弾くフランス系のジャン・ジャック・バーネル(三島由紀夫の読者で極真会館の道場生。今では士道館空手ロンドン支部長)、ジェット・ブラック(d)、デイブ・グリーンフィールド(kb)らを誘いストラングラーズを結成する。
短い髪、細いズボン、過激な演奏と言動は従来のロックバンド(オールドウェイブ)とはあまりに違うものであり、なかなか仕事を得られなかったこともあった。当時はなんと言ってもレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドが大人気の時代であったため、仕事がほしければ髪を伸ばせ、長いギターソロを弾け、ベルボトムを穿けと言われたが拒否。その斬新さはニューウェイブと呼ばれ次第に人気がでるようになり、アイスクリームバン(アイスクリーム販売用のバン)に楽器を載せイギリス中で毎日のようにライヴを行った。反体制のシンボルとして右翼団体の襲撃も受けることもあったが、人気はうなぎのぼり、各アルバム(Rattus Norvegicus、No More Heroes,、Black and White、The Raven)をイギリスのトップ5に送り込んだ。ニューウェイブの旗手としてイギリスの若者に大きな影響を与えるようになったのである。攻撃的な音楽とメッセージ性でセックス・ピストルズ以上にイギリスでも日本でも人気があった。
80年代に入っても The Gospel According to The Meninblack、La Folie、Feline、Aural Sculptureと傑作アルバムを次々と発表。パンクの要素は影を潜めた、ヨーロッパ的な陰影をたたえたむしろプログレ志向のサウンドに変貌し日本では理解されなかったが、高い精神性と美しいメロディでイギリスでは根強い人気を誇った。
1990年にはヒュー・コーンウェルが脱退してソロとなった。