スーパーチャンピオン
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スーパーチャンピオンとは、世界ボクシング協会(WBA)が2001年より始めた新しい制度(スーパーチャンピオン制度)により認定されたチャンピオンのこと。英語圏ではUndisputed Champion(議論なき王者)、またはUnified Champion(統一王者)という。
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[編集] 概要
原則的に各階級のチャンピオンは、ボクシング組織団体ごとに認定されるため団体数と同人数存在する。現在は世界的に認められるボクシング団体は主要4団体、すなわち世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)、国際ボクシング連盟(IBF)、世界ボクシング機構(WBO)に代表されるため、4人の世界チャンピオンが存在することになる。
しかし、現実には各団体のチャンピオン同士の対決戦などで横断的に複数団体のチャンピオン認定を受けるチャンピオンが存在する。世界ボクシング協会(WBA)では同団体以外のタイトルを同時に獲得したチャンピオンを「スーパーチャンピオン」として認定し、正規の(WBA認定のみの)チャンピオンとは別格で扱うスーパーチャンピオン制度を導入した。これによりWBAタイトル保持者が他団体のタイトルを獲得しスーパーチャンピオン認定を受けた場合、WBA正規王座は空位になる。
[編集] メリット
- 世界タイトル戦が頻繁に行えるようになり、多くの選手に世界戦の機会が広がる。
- 各団体のチャンピオン同士の対決を多く観ることが出来る。
[編集] デメリット
- 同時に「WBAチャンピオン」と名乗る選手が同階級に2名存在してしまい、権威が損なわれる。
- スーパーチャンピオンは対戦相手を選り好みできてしまう。
[編集] 評価
上記のような観る側にとって楽しみが増える反面、デメリットも指摘され多くの批判が存在するのも確かである。批判論の中には、昨今の暫定王者乱立と合わせて数多くのタイトル戦をこなそうとするボクシング団体の商業主義そのものを批判する風潮さえある。
[編集] 過去の主なスーパーチャンピオン
- オスカー・デラホーヤ (アメリカ合衆国)
- リッキー・ハットン (イングランド) スーパーライト級
- バーナード・ホプキンス (アメリカ合衆国) ミドル級
- コーリー・スピンクス (アメリカ合衆国) ウェルター級
- ザブ・ジュダー (アメリカ合衆国) ウェルター級
- ファン・マヌエル・マルケス (メキシコ)
- オニール・ベル (ジャマイカ) クルーザー級
- ジャーメイン・テイラー (アメリカ合衆国) ミドル級
- ミッケル・ケスラー (デンマーク) スーパーミドル級