世界ボクシング評議会
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世界ボクシング評議会 (World Boxing Council, WBC) は、ボクシングの世界協会の一つ。元々はWBAの一部として1963年2月14日に創設。やがて独自に世界ランキングを作成するなど、分立志向を強め1968年には完全に分裂し別の組織となった。モハメド・アリの王座認定が分裂の原因といわれているが、アメリカ偏重を嫌った結果が真の原因とも言われる。本部はメキシコシティにある。加盟国がもっとも多い団体。
設立当初、日本ボクシングコミッション(JBC)は、この王座を認めない方向であったが(実際に関光徳や花形進・ファイティング原田が、海外でWBC王座に挑戦した際、この時点ではJBCはWBCに加盟していなかった為、例え王座を奪取してもJBCでは王者と認めないという達しが出ていた)、そのジョニー・ファメションVSファイティング原田戦が、挑戦者のファイティング原田がダウンを連続して奪い、明らかに優勢に見えた試合だったにもかかわらず、判定負け(※しかも、最初は引き分け宣告をリング上で行いながら、リングを降りるとすぐに、チャンピオンの判定勝ち防衛に変更するという敵地での挑戦ならではの不可解なもの)だったこと、またファイティング原田が欧米人以外では初の3階級制覇のかかった試合であったこともあり、当時の世論も沸騰しJBCはWBCを認めてファイティング原田の国内での再戦を認めろ、との意見が強まり、その結果世論と業界の事情に押される形でJBCも、このジョニー・ファメションVSファイティング原田の再戦の日本での開催を認めざるをえなくなり、結果JBCは、なしくずし的にWBC認定の世界王座自体を認めることになり、この試合が開催された1970年1月6日以降、日本はWBAとWBCと世界王座統括機構を2団体承認するという形が長い間続いている。
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[編集] 歴史
- 2003年 グラジアーノ・ロッシジャーニ(ドイツ)から不当にライトヘビー級の世界王座をはく奪したとして、3100万ドル(約34億円)の損害賠償を命じられる。その後も支払い命令の無効を求めたが認められず、ロッシジャーニとの和解交渉も不調に終わる(後に和解)。日本の会社更生法に相当する米連邦改正破産法第11条の適用申請(後に取り下げ)。
- 2004年6月14日 米連邦改正破産法第7条(会社清算)の適用を申請。組織の存続を念頭に置かない破産の手続きに入る。この際、ホセ・スライマン会長がWBCのウェブサイト上で声明を発表(後に破産手続き中止)。
- ホセ・スライマン会長、副会長ゴーウィット・パッグディープーム(タイ)、タイ・スポーツ局長サンティパープ・テーチャワーニットの間で“WBC MUAY THAI”の発足が合意され、2005年2月24日に同意書が作成され署名された。実は2004年10月のプーケットで開かれたWBC総会で合意に達していた。
- 2005年9月9日 - 香港で行われたムエタイの興業で、中国人散打選手、タイガー・チャン(張慶軍/中国)がマレック・“ザ・ジェット”・ボグスウィッツ(イギリス)を破りWBCの認定する最初のムエタイ王者(WBCムエタイインターナショナルヘビー級)になる。チャン選手は同年3月に行なわれたK-1 WORLD GP アジア予選に出場したことがあり、2004年7月に元力士の曙太郎に勝利している選手である。
- 2005年11月7日 - WBC女子世界ストロー級初代王座決定戦がタイで行われ、日本人女子プロボクサー菊地奈々子がノンマイ・ソーシリパン(タイ/同級3位)をTKO(7R0:50)で下し同王座の初代王者になる。また、日本人女子プロボクサーによる初のWBC女子世界王座獲得となった。
[編集] WBCルール
WBC認定試合におけるルールの主な特徴を以下に上げる。
- フリーノックダウン制(1Rにおけるダウン回数を問わず、レフェリーが試合続行可能かどうかの判断を下す。)
- ノックダウンされた選手は、どのラウンドもゴングには救われない。
- 偶然のバッティングにより出血した場合、出血しなかった方はそのラウンドで1点減点(アメリカでは適用されない)
- 偶然の負傷で試合続行不可能となった場合、4R終了までは引き分け、それ以降ならストップラウンドを含めたそれまでの全ラウンドで判定を取る。
[編集] タイトル
WBCは現在世界王座の他にも、アメリカ大陸王座、インターコンチネンタル王座、ユース王座、ムンドヒスパノ王座、全アフリカ世界王座、女子世界王座(WBC FEMALE)、ムエタイ王座(WBC MUAY THAI)等の王座を認定している。
- 男子世界王座:
- 暫定世界王者:王者が怪我等の理由で期限内に防衛戦が不可能になった際に用いられる王座。暫定王座に就いた選手は世界王座と同等の権威を持ち、防衛戦も可能だが、世界王者が復帰した際には統一戦を行わなければならない。ただし、この暫定王座の基準もあいまいで、世界王者が防衛戦の期限内で防衛戦を行わない時に、王者に何の告知もなく勝手に暫定王座を認めたり、王者のまま引退した選手が復帰した際に、暫定王者に認定して統一戦を認めたりと問題も多い。尚、この暫定王者はWBAにも存在していて、同じような問題が発生している。
- 名誉王座:認定基準は不明。どういったものなのか、どうすれば認定されるのか、どのように機能するのか、説明できる専門家は全世界を見ても存在し無いと思われる。恐らくWBCも細かいことを決めておらず、いきあたりばったりの運営をしているものと思われる
- インターナショナル王座:本来挑戦資格がないはずの16位~30位までの選手(及び例外としてWBC加盟各国の国内王者)で争われる準王座。 これを獲得していると、世界ランカーと同じ資格を得られて 世界挑戦資格が得られる。(決して優先挑戦権があるわけではない)
しかし、WBCにおいて15位以下の選手も特例(どういう場合が 特例になるのかあいまい)で挑戦できる場合があり、日本のようにランク外の選手が世界戦の契約が成立すると、とたんに世界ランク入りする(特に実績がなくても)場合が多くあるため強い存在意義はないと思われる。
- アメリカ大陸王座(Continental Americas):
- ユース王座(Youth):21歳以下のボクサーが挑戦可能。
- ムンドヒスパノ王座:
- 全アフリカ世界王座(All Africa World Championships):アフリカ系の人種のみ挑戦可能。ホープ用のタイトルの為、現役チャンピオンは挑戦できない。
- 全アジア世界王座(All Asian World Championships):アジア系の人種のみ挑戦可能。ホープ用のタイトルの為、現役チャンピオンは挑戦できない。
- 全ラテンアメリカ世界王座(All Latin American World Championships):ラテンアメリカ系の人種のみ挑戦可能。ホープ用のタイトルの為、現役チャンピオンは挑戦できない。
- 女子世界王座(WBC FEMALE):
- ムエタイ世界王座(WBC MUAY THAI):
[編集] 下部組織
WBCの下部組織が他の団体と違う点は例えばWBAのPABA、NABA等の組織は完全なWBAの下部組織(支社、支店のようなもの)であり、WBCの場合は元々存在するコミッション同士が集まって、自分たちで結成した組織であるということである。よって独立性が高い。
- 北アメリカボクシング連盟(NABF)
- イギリス連邦ボクシング評議会(CBC)
- 北アメリカボクシング評議会(NABC)
- ヨーロッパボクシング連合(EBU)
- 東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)
- アジアボクシング評議会(ABCO)
- アフリカボクシング連合(ABU)
- 南アメリカボクシング連盟(FESUBOX)
- 中央アメリカカリブボクシング連盟(FECARBOX)
- カリブボクシング連盟(CABOFE)
- 独立国家共同体及びスロベニアボクシング事務局(CISBB)
- スペイン語圏ボクシング協会():参加団体であって下部組織ではない
[編集] 関連項目
[編集] 団体
[編集] 下部組織
- 北アメリカボクシング評議会(NABC)
- ヨーロッパボクシング連合(EBU)
- 東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)
- アジアボクシング評議会(ABCO)
[編集] 王者一覧表
- 世界ボクシング評議会世界王者一覧
- 世界ボクシング評議会インターナショナル王者一覧
- 世界ボクシング評議会ユース王者一覧
- 世界ボクシング評議会アメリカ大陸王者一覧
- 世界ボクシング評議会女子世界王者一覧
- 世界ボクシング評議会ムエタイ世界王者一覧
- 世界ボクシング評議会ムエタイインターナショナル王者一覧
[編集] 外部リンク
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