スーパーロボット レッドバロン
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『スーパーロボット レッドバロン』は、宣弘社が製作し、1973年(昭和48年)7月4日から1974年(昭和49年)3月27日にわたって日本テレビ系で毎週水曜日19:00 - 19:30に全39話が放送された特撮テレビ番組、およびその劇中に登場する巨大ロボットの名。
放送時、人気は高かったのだが、メインスポンサーであった日本空気販売の倒産により、3クールで打ち切りとなってしまった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
悪の組織「鉄面党」は、万国ロボット博覧会に出展された世界各国の巨大ロボットすべてを強奪した。彼らは戦闘用に改造したロボット軍団で世界を征服するつもりなのだ。一台だけ難を逃れた紅健一郎博士製作のスーパーロボット・レッドバロンは、健一郎の弟で科学秘密特捜隊 (SSI) に所属する紅健(くれない けん、演:岡田洋介(現:石太郎))へと託される。兄が遺したレッドバロンを操縦し、健は鉄面党に敢然と立ち向かう。
シリーズ後半には鉄面党の上部組織、宇宙鉄面党が登場した。
番組途中のCMではレッドバロンのパイロット紅健が、敵ロボットと戦闘中、コクピットの中が暑くなり、硬貨(50円もしくは100円)をレンタルエアコンに入れて一息入れるというものが流れた。
[編集] 出演者
- 紅健:岡田洋介
- 松原真理:牧れい
- 堀大作:保積ペペ
- 坂井哲也:加藤寿
- 大郷実:大下哲矢
- 三神四郎:潮哲也
- 熊野一平:玉川伊佐男
- デビラー総統:伊海田弘
- 紅健一郎:石田信之
- 水木ひかる:雨宮貞子
- 矢沢博士:宮川洋一
- ギラスQ(声):依田英助
- ナレーター:鈴木泰明
- レッドバロン:永野昭彦、矢島登喜男
- 悪役ロボット:車邦秀、佐藤榮一
[編集] スタッフ
- 企画、制作:小林利雄
- プロデューサー:川口晴年 (NTV) 、上村宏、田村正蔵
- 原案:斉藤汎司 (NTV) 、渡辺一彦(NTV音楽)、野口竜(竜企画)
- 音楽:ボブ佐久間
- 撮影:関口政雄(本編)、大岡新一(特撮)
- 照明:松丸善明(本編)、森谷清彦(特撮)
- 美術:桜井克彦
- 音響効果:石田サウンドプロ
- 視覚効果:兵頭文造
- 合成技術:デンフィルム・エフェクト
- ロボットデザイン:野口竜
- 技斗:高倉英二(若駒プロ)、若駒冒険グループ
- 制作協力:日本現代企画
- 制作:宣弘社
[編集] レッドバロン
- 身長:40.0メートル
- 体重:150.0トン
- 飛行速度:マッハ10
- 走行速度:時速500km
- 水中速度:500ノット
- 出力:100万馬力
紅健一郎博士が4年かけて完成させ、弟の健に託したスーパーロボット。
最初に登録された指紋と声紋の持ち主である紅健にしか動かすことは出来ない。操縦席は目の部分にあり、そこで爆発等が起きても、シールドのブロックウォールを張って致命的破壊から守る。健が通信用ブレスレットで「レッドバロン、出動!」と命令することで発進し、健の元に飛んでくる。健の声でないと発進しない。そして健が乗り込んだ後、「ファイトレバー、オン!」で行動を開始する。
動力は原子力(小型中性子ロケットエンジン)のため燃料は不要だが、潤滑油として特殊オイルBR70が必要。十万度の高熱にも耐えるバロニウムで作られている。24話以降は矢沢博士が開発したニューバロニウムに換装された。
[編集] 武装・技
- エレクトリッガー
- レッドバロンの必殺武器。頭部両端に追加装着される電極からの、1億ボルトの放電光線。
- バロンパンチ
- いわゆるロケットパンチ。画面奥から手前に向かって「バロンパンチ」と書かれた字幕スーパーを突き破ってパンチが飛び出すビジュアルにインパクトがあった。
- バロンミサイル
- 胸部に内蔵されたミサイル。左右に2基の発射装置を持つ。主に繋ぎとして使用されるが、敵の弱点を狙えば必殺武器級の威力を発揮する。
- バロンビーム
- 喉元から発射するビーム。
- バロンハンマー
- ラリアットで攻撃する。
- バロンブレイク
- 百万馬力の出力で突進して撃破する。ブラックマサイの小型原子炉を破壊して倒した。
- バロンバーリヤ
- 光の壁を発生させる。
- アームミサイル
- 7話から追加された武装。拳が手首から二つに割れて発射されるミサイル。
- スクリュービーム
- 8話に登場。バロンパンチもエレクトリッガーも反射する、ベドウィンGの磁力反射ミラーを撃破するために、ミラーの開発者である藤堂博士が製作した武装。スクリュー光線砲を右目に増設、これでミラーを破壊した。
- スペースウィングス
- 宇宙鉄面党との戦いに備えて装備された、宇宙航行も可能な翼。三神博士が開発。ロケット弾を装備しており、これも必殺武器級の威力がある。
- ドリルアロー
- 矢島博士が開発した新兵器。基地から飛来して肩に合体、発射される必殺のドリルミサイル。キングデビラーを倒した。
- バロンスピン
- 高速スピンで敵の放つ霧等を振り払う。9話でベスビオスYの霧を振り払った。
- バロンフルパワー
- 11話と22話で使用した能力。レッドバロンの全エネルギーを集中し、応急処置で動力回路を直結させて、数倍の能力を発揮出来る。ただし、1分以上使用すると自爆してしまう。ガルニゾンエースの左腕をもぎ取り、その左腕で敵の首を吹っ飛ばして倒すほどのパワーを発揮する。
- ジェットファイヤー
- 足裏のジェット噴射口からの噴射炎で敵を加熱する。バロンパンチも防ぐ、プロトアンデスの盾を破壊した。
- ハンマーパンチ
- 全身を回転させて叩き込むパンチ。
- バロンキック
- キック技。
- アースマーカー
- 全身を回転させて地中に潜る。
- バロンマーカー
- 宇宙航行用の遠距離探査システム。
- プラズマビーム
- 後期EDの歌詞に出てくるが、劇中では最終回に1回使用したのみで、しかも画面ではどんな技か詳細不明。
- レインボーショット
- 三神博士が開発、火星に向かう為に追加された武器。手首から七色の光弾を発射する。最強のロボット・ディモスZを倒した。
- ニューバロニウム盾(本編未使用)
- 対スカイシャークの間に合わせ兵器として用意するはずだったが、結果不必要になった、未使用の盾。
[編集] 登場人物
[編集] SSI
正式名称は Secret Science Institute (科学秘密捜査隊)。現代の忍者と称されるチームで、いずれのメンバーも格闘や射撃等のエキスパートである。全身機械のメカロボを素手で倒すほどの実力を持つ。彼らは全員、普段は隠れ蓑として別の仕事を持っている。使用する車両は普通のジープとバイクに加え、専用武装車のアイアンホークがある。彼らの訓練は、地雷地帯を車やバイクで突破したり、レッドバロンの攻撃の中を突破するという、凄まじいものである。27話で地球防衛軍の下部組織として再編成された。
- 大郷実
- SSI の隊長で、ボスと呼ばれる。35歳。温和な性格で皆から慕われているが、必要とあらば非情な決定も下す。普段は自動車修理工場を経営している。第26話で、デビラー総統を倒してレッドバロンの秘密の設計図を取り返すが、そのまま宇宙鉄面党基地に連れて行かれることを知って自ら爆死を選ぶ。
- 三神四郎
- 第27話より登場。SSI の科学顧問を担当していたが、SSI の新たな隊長として活躍する。スペースウイングスを開発した科学者だが、バイクのテクニックや射撃・格闘技も得意。
- 坂井哲也
- SSI の副隊長格で、一見クールに見えるが実は健と同じく熱血漢である。20歳。射撃の腕前は超一流。ジープが好きな大学中退の秀才でもある。普段は自動車のセールスマンをしている。牧畜と農家を営む両親がいる。
- 掘大作
- SSI のムードメーカー。19歳。オートバイで活躍する。普段は南東通信社の原稿運びである。小学生の弟の大助がいる。第26話で体内に爆弾を埋め込まれ、仲間に鉄面党の秘密基地の場所を告げて爆死する。
- 松原真理
- SSI の紅一点。18歳。普段は都内の南東通信社の見習いカメラマンである。健には特別な好意を寄せているようだ。アイアンホークやスポーツカーを乗り回し様々な格闘技を身につけており、メカロボとは鞭を使った戦闘が得意である。
- 紅健
- レッドバロンを操縦できる唯一の人間。18歳。4年前に両親と弟が行方不明になり、また兄を目の前で殺されたために天涯孤独の身の上となる。勇気と優しさを持つ熱血漢な好青年である。普段は自動車修理工場で働いている。
[編集] 警視庁科学捜査課
- 熊野一平
- SSI と親交が深い警部で、サイレン付きの自転車を乗り回しているために自転車刑事と呼ばれている。ムードメーカーだが実力者でもあり、超合金製の傘で銃弾を跳ね返し、仕込み銃でメカロボをなぎ倒す。
- 水木ひかる
- 第18話で初登場した熊野警部の部下でフランス帰り。
[編集] 鉄面党
世界征服を企む悪の組織。万国ロボット博覧会に出品されていた世界各国の巨大ロボットを強奪、戦闘用ロボットに改造して組織の戦力にした。後に宇宙鉄面党の地球支部に過ぎなかったことが判明する。26話で首領のデビラーが死亡、組織は壊滅した。
- デビラー博士
- 鉄面党の支配者。かつては高名な科学者だったが突如失踪。数年後、鉄面党の総統として姿を現した。右腕を義手に改造している。人間をまったく信用しておらず、自分の部下は全てサイボーグに改造している。26話で大郷によって倒された。
- メカロボ
- 鉄面党の雑兵ロボット。
[編集] 宇宙鉄面党
ギラスQ率いる鉄面党の上部組織で、火星に本拠を置くロボット軍団。23話で初めてその存在が明らかにされた。デビラーを利用して地球征服を企んだが、デビラーの死後は自ら侵略活動を開始した。
- ギラスQ
- 宇宙鉄面党の首領。その正体は自己再生能力を持つスーパーコンピューターである。いつ誰が作ったのかは一切不明。最終話で火星の本部と共に爆発四散した。
- 遊星人
- 宇宙鉄面党の戦闘員。銀色の顔をしたロボット兵士。
[編集] 放映データ
話数 | サブタイトル | 登場ロボット |
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1 | ロボット帝国の陰謀 |
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2 | 激突! バロンブレイク |
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3 | 切り札はアンドロイドX |
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4 | 必殺! フェニックス戦法 |
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5 | 打倒! 謎のロケット作戦 |
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6 | レッドバロン 戦斗不能! |
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7 | 秘密兵器は赤い風船 |
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8 | 無敵! 砂漠の魔王 |
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9 | 霧のウラン鉱 争奪戦 |
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10 | 逆襲! 破壊光線 |
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11 | 美しき暗殺者 |
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12 | この一撃に命をかけろ! |
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13 | 五大都市 爆破10分前 |
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14 | 不死身ロボットの謎 |
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15 | 予告された罠 |
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16 | 鉄面党脱走犯E16号 |
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17 | 悪魔の書いた話 |
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18 | 見よ! レッドバロンの最後 |
|
19 | 美しき悪魔の操縦士 |
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20 | 危し! SSI |
|
21 | レッドバロンを改造せよ |
|
22 | レッドバロン 危機一髪 |
|
23 | 宇宙からの挑戦状 |
|
24 | 破れ! 宇宙の秘密兵器 | |
25 | レッドバロン7つの秘密 |
|
26 | 鉄面党デビラーの最後 | |
27 | 宇宙ロボットの襲来 |
|
28 | ゴールドフィンガー |
|
29 | 鉄面党ロボット3兄弟 |
|
30 | レッドバロンをあやつる少年 | |
31 | 恐怖のリンゴ爆弾 |
|
32 | リモコン戦車 襲撃開始 |
|
33 | 宇宙ロボット蜘蛛の怪 |
|
34 | 裏切りの宇宙特急便 | |
35 | 恐怖の吸血ビールス |
|
36 | 国際本部から来た男 | |
37 | 宇宙から来た父の手紙 |
|
38 | レッドバロン 火星に遭難 |
|
39 | 機械じかけの明日 |
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[編集] 関連項目
- スーパーロボット マッハバロン
- 小さなスーパーマン ガンバロン
- レッドバロン - 1994年に放映されたアニメ版
日本テレビ系 水曜19時台前半 | ||
---|---|---|
前番組 | スーパーロボット レッドバロン | 次番組 |
白獅子仮面 | スターむりむりショー |
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