セヴェロドヴィンスク級原子力潜水艦
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セヴェロドヴィンスク級原子力潜水艦( - きゅうげんしりょくせんすいかん)は旧ソ連・ロシアの885型(プロジェクト885)攻撃型原子力潜水艦。一般に、1番艦の名をとって「セヴェロドヴィンスク級」と呼ばれている。NATOコードは、Graney。
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[編集] 近況
従来、ロシアの原潜は、対艦巡航ミサイル原潜と攻撃型原潜の二本立てで整備されていたが、この両者を統合したタイプとなる。 第4世代多用途攻撃原潜である885型は、1993年に1番艦セヴェロドヴィンスクの建造が開始されたが、90年代のロシア経済の不振の影響で工事が滞った。そのため10年以上を経た現在でも未だに建造が続いており、就役時期は未定である。2番艦以降は未だ起工されていない。
[編集] 概要
885型(セヴェロドヴィンスク級)の開発計画は、ロシアでは「ヤーセン(Yasen)」と呼ばれている。計画は1980年代に始まり、設計はSKB-18ルビン中央設計局が担当。排水量は水上9,500t、水中11,800tと攻撃型原潜として世界最大級である。当初は6~7隻の建造が計画されたが、これまでのところ起工されたのは1番艦のみである。
武装としては対艦ミサイルVLS(垂直発射筒)が8基並べられ、最大24発のオーニクス対艦ミサイルが搭載される予定。魚雷発射管は533mm8門が予定されており、旧ソ連海軍の原潜に搭載されていた650mm魚雷発射管は搭載されない。対潜ミサイルは、新開発の91RE1が搭載される。
原子炉も、新開発の「KPM」と呼ばれるタイプとなり、炉心と燃料棒の寿命は、約30年にまで延長された。これにより、艦の寿命と原子炉の寿命は等しくなった。冷却系も大幅に改良されている。
[編集] 要目
- 形式 - 原子力攻撃潜水艦(SSN)
- 計画番号・名称 - Project885 ヤーセン(Yasen)
- 全長 - 111m - 120m
- 全幅 - 12 - 15m
- 吃水 - 8.4 - 10m
- 排水量
- 水上 - 5,900-9,500 トン
- 水中 - 8,600-11,800 トン
- 乗員 - 80-85(うち士官30名)
- 最高速度
- 水上 - 17-19ノット
- 水中 - 28-31ノット
- 潜航深度
- 保障深度 - 不明
- 最大深度 - 不明
- 圧壊深度 - 不明
- 推進装置
- セイル内に乗員全員を収容できるレスキュー・チャンバーを搭載
- 武装
- 聴音システム - MGK-700 アヤクス
- 艦首アクティブ/パッシブ両用大型球状ソーナー
- 船体側面パッシブ・ソーナー・アレイ
- 曳航式パッシブ・ソーナー・アレイ
- その他システム
- ツカン航跡自動追尾システム
[編集] 同型艦
- 885型3隻(起工順)
艦番号 | 名称 | 造船所 | 起工年 | 進水年 | 竣役年 |
- | Severodvinsk | SY402 | 1993/12/28 | 1995(96?) | 2006~2008(予定) |
- SY402=セヴェロドヴィンスク第402造船所
カテゴリ: ソ連・ロシアの潜水艦 | 原子力潜水艦