加圧水型原子炉
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加圧水型原子炉(かあつすいがたげんしろ、(英)Pressurized Water Reactor、PWR)は、核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、一次冷却材である加圧水(圧力の高い軽水)を300℃以上に熱し、蒸気発生器によって二次冷却材の軽水を沸騰させ、最終的に高温・高圧の蒸気としてタービン発電機を回し、電力を生ずる原子炉。発電炉として、原子力発電所の大型プラントや、原子力潜水艦などの小型プラントに用いられる。
このように、一次冷却系と二次冷却系を有する原子炉では、放射能を一次冷却系に閉じこめることが出来る為、沸騰水型原子炉のようにタービン建屋を遮蔽する必要はない。また、一次冷却材の加圧水は、熱せられても液体の状態であるため再循環が容易であると同時に、外部への放射能漏れを防ぐことができる。加圧水の炉心出口温度を上げることで、より高い熱効率を得ることが出来るが、炉の耐圧強度の関係で、あまり高温にすることが出来ない。 外部からの制御は制御棒によって行われ、一次冷却材喪失時には非常用炉心冷却装置(ECCS)を作動させる。