タックスマン
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タックスマン(Taxman)は、1966年に発表されたビートルズのアルバム『リボルバー』に収録されたジョージ・ハリスン作の曲。ジョージ作の公式発表曲では唯一、アルバムのオープニングを飾ったナンバーである。
この頃ビートルズはいくら働いても95%を税金として持っていかれる事に不満を抱いているが(※1964年から1970年までの労働党ウィルソン政権は、充実した社会保障を維持するために95%という高い税金を富裕層に課していた。また、1974年から1978年までの第二次労働党ウィルソン政権は、99.5%という高い税金を富裕層に課すという法律を作ったため自国の著名人をアメリカに流失させるというミソをつけている)、ジョージはその事を逆手にとって、というより皮肉ってこの曲を作ったのである。歌詞のくだりにある「5%ではご不満ですか?全額徴収されないだけでも感謝なさい」「結局あなたがたはこの私のために働いているのですな」という部分にジョージの皮肉が窺える。歌詞には当時のウィルソン首相と野党第1党のヒース保守党党首(1970年から1974年まで保守党政権の首相となる)が登場するが、反対党の党首まで出す事によってバランスをとっていたのである(余談だが、ビートルズは労働党のシンパだった)。
ちなみにこの曲のリード・ギターはポール・マッカートニーがつとめている。ジョージは1991年に初の(生前唯一の)来日コンサートで歌った時は、当時のメージャー英国首相とブッシュ(父)米国大統領と名前を変えて歌っていた。 『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に収録されているヴァージョンでは、公式テイクでは「Haha,Mr. Willson」「Haha, Mr. Heath」と歌っている部分で「誰か金持ってないかい?」と連呼している。