タピオカ
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タピオカ (tapioca)は、トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプンのこと。糊化しやすく、抱水力が強い。菓子の材料や料理の"とろみ付け"に用いられる他、"つなぎ"としても用いられる。
[編集] タピオカパール
糊化させたタピオカを球状に加工し、乾燥させたもの、特に大粒のものは「タピオカパール」と呼ばれ、煮戻してデザートや飲料、コンソメスープの浮身などに用いられる。黒、白、カラフルなタイプと様々な色がある。黒く、透明感のある粒は、蛙の卵を連想させることがある。本来はサゴヤシのでん粉で作られていたが、安価なタピオカに切り換えられている例が多い。
このタピオカパールをミルクティーに入れたタピオカティー(珍珠奶茶)は、発祥の地である台湾はもとより、現在では日本や他の東南アジア、欧米諸国などでも広く親しまれている。
中華点心では小粒のものを煮てココナッツミルクに入れて甘いデザートとして出す場合が多い。他に、善哉の様に豆類を甘く煮た汁と合わせたり、果汁と合わせたりもする。台湾や中国とつながりが深い沖縄では、「西穀米」の福建語読みが語源と思われる「シークービー」または「セーカクビー」という呼び方で、伝統的に沖縄料理のデザートに利用してきた。
また、水分を少なめにして煮ると、粒同士が付きやすくなるので、型に入れて冷やし、粒粒感のあるゼリーの様なデザートを作ることもできる。欧米では、カスタード風味のタピオカプディングがよく知られている。また、その性質を利用して、冷凍うどんに練りこんで品質維持に利用している。