ダイナマイト刑事
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ダイナマイト刑事(-でか)は、セガが1996年から発売したアーケードゲーム。家庭用ゲーム機にも移植されている。
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[編集] 概要
セガより発売された『獣王記』、『ゴールデンアックス』、『エイリアンストーム』といったゲームを担当してきた内田誠がディレクターを担当。
シリーズに共通する特徴として、強行潜入捜査を行う主人公ブルーノ・デリンジャーが柱時計、冷凍マグロ、デッキブラシなど周囲のアイテムを武器として戦う3Dアクションゲームであることが挙げられる。相手に接近して攻撃すると「掴み」攻撃が発動、素手であれば様々な投げ技(主にプロレス技)を出すことが出来、銃を持っている場合は手錠をかけて逮捕することで相手の体力に関係なく無力化することが可能(ただし、このアクションは隙が大きく、逮捕中に他の敵に攻撃されることも多い)。
また、敵を全滅させて次のステージに移動する際に特定のボタンやレバー入力が画面表示される箇所があり、制限時間内にその操作をすることで敵に先制攻撃を仕掛けるといった有利な展開となるが、失敗すると逆に余計な戦闘をする羽目になる。このときに映画的なマルチアングルからのスローモーションによる演出が入ることで、ゲームに緩急がついていた。
妙な演出や敵味方を問わず濃いキャラクターが多いため、いわゆるバカゲーとして挙げられることもある本作であるが、本質的にはよくできたアクションゲームである。
[編集] シリーズ
[編集] ダイナマイト刑事
第1作。1996年にセガサターンと互換性のあるST-V基板で制作された。高層ビルに潜入し、テロリスト集団に捕らわれている大統領の娘を救うのが目的。当時のポリゴン技術の限界から来る大統領の娘の不細工な造形が話題を呼んだ。
当然、セガサターンにも移植され、好評なセールスを記録した。おまけゲームとしてセガの初期ゲーム『ディープ・スキャン』が収録されており、コンティニューのためのクレジットはおまけゲームをプレイしないと増えないという仕様だった。
もともとは北米で映画ダイ・ハードのビデオゲーム版として開発されたタイトルである。タイトルも欧米ではDie Hard Arcadeとなっている。
- プレイステーション2版
2006年にセガの旧作を低価格で移植するセガエイジス2500シリーズのVol.29としてプレイステーション2版が発売された。コンティニュー数を稼ぐためのおまけゲームとしてセガが1966年に発売したエレメカゲームであるペリスコープを復刻(移植?)しており、元になるゲームを探し出すところから始まった苦労談が公式サイト内のクリアパスワードで読めるコーナーにて掲載されている。
最初プレイできるのはグラフィックを完全リメイクした「DYNAMITE DEKA MODE」、セガサターン版を再現した「SEGASATURN MODE」、難易度を下げた「EASY MODE」の3モードだけだが、それぞれのモードをクリアすると逮捕のみで敵を倒す「ARREST MODE」、銃のダメージが異常に高い「ONE SHOT KILL MODE」、敵からダメージを受けない代わりに制限時間が厳しい「DEADLINE MODE」、主人公が『獣王記』の獣人になる「ALTERED BEAST MODE」の4モードが追加される。また、「DYNAMITE DEKA MODE」と「SEGASATURN MODE」以外では主人公がコスプレをするアイテムが落ちていたり、内田プロデューサー作品にちなんだキャラクターが敵や背景として登場するといったアレンジがなされている。
基本的によく出来た移植ではあるが、プレイステーション2で出たゲームであるにもかかわらずメモリーカードへのセーブに対応しておらず、隠し要素を出すためにはクリア時に表示される隠しコマンドを毎回入力しなければならないという点は批判を受けることとなった。
[編集] ダイナマイト刑事2 カリブの海賊編
第2作。model2基板で制作され、1998年にリリースされた。日本国外ではDynamite Copというタイトルで発売されている。
舞台を豪華客船に移し、グラフィックも強化されているものの、基本的なテイストは同じ。
稼働時間により、ゲームオーバー時に表示されるパスワードが異なり、それぞれのパスワードをオフィシャルページで入力すると情報が見られるなど、当時普及の過渡期にあったインターネットを取り入れたインタラクティブ性がある意味において話題になった。しかし、稼働時間がゲームセンターの営業時間によって左右されてしまうため、あまり意味のない制約になっていたのも事実である。
1999年にはドリームキャストにも移植され、本作のオマケはトランキライザーガンであった。
2002年にはセガとクールネットエンタテイメントの共同ブランド『CoolCool』よりXbox版が発表されたが、発表以来、情報がなく立ち消え状態になっている(CoolCool自体もレンタヒーローNo.1以外発売されず、消滅している模様)[1]。
[編集] ダイナマイト刑事EX~アジアンダイナマイト
2006年の11月に秋葉原でロケテストが行われた9年ぶりの新作。制作者なりに解釈された萌え要素が込められているとのことである。衣装の入ったトランクを入手すると、プレイヤーキャラクターが着替えることのできるコスプレシステムが導入されている。ブルーノ・デリンジャーはカンフー着、ランボー風軍人、キャロラインはチャイナドレス、キョンシー(注:萌え要素)などに着替えられる。この着替えによってキャラクター性能にも差異が出るというシステムとなっている。
なお、ロケテスト版は2をマイナーチェンジさせただけなのではないかと思えるほどの出来であり(ステージ構成および敵出現パターンが2と全く同一)、評判は非常に芳しくない。正式タイトルを「特亜刑事」に提案しようとするなど裏話の書かれたロケテアンケート(裏)が微妙に話題を呼んだ。
NAOMI基板で制作されており、2007年夏頃リリース予定。[1]
[編集] 出典
[編集] 外部リンク
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