デネブ

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デネブ（Deneb）は恒星の名前。アラビア語で「尾」の意味なので動物の星座の尾の星につけられることが多い。単なる「デネブ」ははくちょう座α星とくじら座η星、いるか座ε星およびわし座ε星に使われているが、普通ははくちょう座α星に対して使われる。

[編集] はくちょう座α星

学名はα Cygni（略称はα Cyg）。他の「デネブ」と区別するためまれにデネブ・シグニ（Deneb Cygni）或いはアリデッド（Arided）と呼ばれることもある。1.21等～1.29等の範囲を変光するはくちょう座α型脈動変光星の代表星。但し眼視観測では明るさの変化は分からない。スペクトル型はA2Ⅰaの白色超巨星である。ベガ、アルタイルとともに夏の大三角形を構成しているが、距離ははるかに遠く1500～3200光年である。あまりに遠いために年周視差が非常に小さく、いまだにはっきりとした物理量が不明である。

いずれにせよ、恒星としては最大級の明るさを持っており、デネブが一日で放射するエネルギ－は太陽が140年かけて放射する量に等しい。仮にシリウスの位置にデネブがあったとすると、満月よりも明るく見えることになる。デネブは1年間に太陽質量の1000万分の8を失っており、約100万年で太陽質量を失うことになる。恒星進化論に従えば、いずれは超新星爆発を起こして中性子星かブラックホールに進化すると考えられる。

[編集] くじら座η星

学名はη Ceti（略称はη Cet）。3.46等で距離は100光年ないし118光年といわれる。スペクトル型がK2Ⅲなのでオレンジ色に輝く。

[編集] いるか座ε星

学名はε Delphini（略称はε Del）。4.03等で距離は360光年。スペクトル型がB6Ⅲの青白い星。他の「デネブ」と区別するためデネブ・ダルフィム（Deneb Dulfim）と呼ばれることもある。

[編集] わし座ε星

学名はε Aquillae（略称はε Aql）。4.21等で距離は150光年。スペクトル型がK1Ⅲのオレンジ色の星。

[編集] デネブを含む名をもつ星＆デネブと同じ語源の名をもつ星

「デネブ」を含む名をもつ星や「デネブ」と同じ語源の名をもつ星は多いので、一覧をあげておく。

[編集] デネブを含む名をもつ星一覧

• デネブ・カイトス（Deneb Kaitos）…くじら座β星及びι星
• デネブ・アル・シャマリー（Deneb al Shamaliyy）…くじら座ι星
• デネブ・オカブ（Deneb Okab）…わし座δ星
• デネブ・アル・オカブ（Deneb al Okab）…わし座ζ星
• デネブ・アルゲディ（Deneb Algiedi）…やぎ座δ星

[編集] デネブと同じ語源の名をもつ星一覧

• デネボラ（Denebola）…しし座β星
• アルダナブ（Al Dhanab）…つる座β星