ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒
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『ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』(- ふういんのあか はいとくのくろ)は、2005年6月16日にスクウェア・エニックスから発売されたプレイステーション2用ソフトである。 2003年に発売されたドラッグオンドラグーンの続編であり、 前作から18年後の世界が物語の舞台となっている。エンディングは3つ。 前作と今作ではテーマが大きく異なる為、作品のベクトルも同様に異なっている。 主題歌は中島美嘉の『ひとり』
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] プロローグ
18年前、連合軍と帝国軍との間で大きな戦争があった。 そして、一人の少女によって世界は崩壊への一途をたどっていた。 しかし後に英雄と呼ばれるカイムとその仲間たちの活躍によって世界の崩壊は防がれた。アンヘルの封印という犠牲の上に・・・・。 それから18年後、封印は英雄ヴェルドレにより結成された封印騎士団により守られていた。 そして、騎士団に所属する少年「ノウェ」、人々から聖女と崇められる女性「マナ」。 この二人の出会により止まっていた歯車は再び動き出すことになる。
[編集] 登場キャラクター
- ノウェ(声:勝地涼)性別・男、年齢・18歳
- 本作の主人公。生まれた頃からドラゴンに育てられ、竜語を話すことができる。封印騎士団に所属。『聖女』と呼ばれているマナと出会うことで運命が大きく変わる。セエレからは世界の『救世主』と呼ばれているが本人はその呼び名を嫌っている。封印騎士団から脱走したあと忘れられた遺跡にてマナと再会し、マナに今の世界の悲惨な状況を見せられ、マナと共に鍵を壊すことを決意する。世界崩壊のときに古の墓標の『種の書』にて、自分が真人類であることを知る。
- ノウェの出生の秘密は前作のBエンディングが深く関わっている。ノウェの正体は、イウヴァルトとフリアエの亡骸が再生の卵によって融合し誕生した存在であり、急速に進化した突然変異生物。
- ブラックドラゴン-レグナ(声:原田芳雄)性別・不明、年齢・不明
- ノウェを育てたドラゴン。人間の言葉を理解できる。ノウェの親代わりのため面倒をみることもしばしば。時には口うるさいときもある。前作のレッドドラゴン『アンヘル』とは違い軽妙な台詞も目立つ。
- 実は前作でイウヴァルトと契約したブラックドラゴンである。18年の間に何があったのか…それは、『種の書』を深く読み解けば分かるだろう。
- マナ(声:小雪)性別・女、年齢・24歳
- 本作のヒロイン。人々を苦しめる封印騎士団に反発を持つ。どんなときでも冷静沈着、巨大な困難も1人で立ち向かっていく。人々からは『聖女』と呼ばれているが、実は18年前に世界崩壊を引き起こした張本人。当時の記憶は失われている。ノウェと共に鍵を壊した後アンヘルが復活したことを知り、精神崩壊を起こす。古の墓標にて、幼いときの自分とカイムと贖罪の旅を見て過去に捕らわれるが、ノウェの無償の愛によって過去のトラウマから解き放たれる。
- エリス(声:相武紗季)性別・女、年齢・18歳
- 封印騎士団に所属する女騎士。ノウェとは幼なじみ。ノウェのことを男として意識している。ノウェと共に行動するマナに強い不信感を抱き、同様に世界に仇なす行為を続けるノウェを心配している。
- ユーリック(声:小山力也)性別・男、年齢・27歳
- 死の呪縛に囚われながら生きる男。きわめて明るく冗談混じりの発言が多いため、あまり本音が見えない。ノウェたちを気遣う兄貴肌な一面もある。3年前の封印襲撃事件により重症を負い、死神と契約。契約代償は『死』で、この世界で死んでも死神が体内に入り込み彼を再生させるため死ねない。明命の直轄区でのノウェとカイムの戦いでユーリックがノウェをかばったが、カイムの攻撃により死神が死んでしまったため、ユーリックも死んだ。プレイヤーキャラという立場上、死なないという設定の代わりに防御力の成長値はかなり低いが、攻撃さえされなければ折れた鉄塊を装備した彼は鬼神の働きを見せてくれるだろう。
- ジスモア(声:立木文彦) 性別・男、年齢・44歳
- 現・封印騎士団長。3年前より、騎士団長の座につく。ジスモアは本編での地位に登りつめるまで、あらゆる汚い手を尽くしてきた。前作の敵である帝国軍の生き残りだった為、連合軍との戦争終結の後、ほぼ奴隷に等しい生活を強いられていた。そして「力こそ全て。強者が弱者を支配できる。」という強い信念の元に封印騎士団で恐怖政治を敷き統制を図る。人徳があり正義感にあふれていた前団長オローに対して羨望と憎悪を持っていた。そのため本編の3年前に起こった封印襲撃事件のときに罠を仕掛け、オローを殺害する事に成功。本編の主人公であるノウェにはオローと似ていたので憎んでもいた。契約主は『シェイド』。契約代償は『肉体』で、シェイドを使って偽りの肉体を形成している。最期は天時の直轄区でノウェと戦い、鍵である聖砂漏を自ら破壊したため死亡した。
- カイム(声:池畑慎之介(ピーター))性別・男、年齢・42歳
- 前作の主人公。本編の18年前、帝国軍との戦いの渦中でレッドドラゴン・アンヘルと契約。契約代償は『声』である為に喋る事が叶わない。世界の滅亡を回避すべく最終封印になる事を申し出たアンヘルと離別した後、戦争の元凶となったマナを連れ各地を放浪していた。しかし数年後、仲間であった筈のヴェルドレの裏切りとそれによるアンヘルの声が消失した事に動揺し、隙をついたマナに左目を奪われた(故に以降『隻眼の男』と呼ばれることに)。
- 本作の3年前に、ようやくヴェルドレの足取りを掴み、アンヘルを封印させまいとヴェルドレやオローを始め多くの人間を惨殺。しかし、これが災いして封印は完成してしまう。以降アンヘルにかけられた封印を解く術を求めて放浪している。全ての封印が解放された後、聖地(女神の城)にてアンヘルと再会した。しかし、長年に渡る苦痛と絶望に心を失い声さえ届かぬ片割れの姿を前にして、ノウェ達にアンヘルの殺害を要請した(『声』を飛ばして要求した)。最期はアンヘルと共に、炎に包まれ逝った。
- レッドドラゴン-アンヘル(声:ピーター(池畑慎之介))性別・雌(単一性)、年齢・不明
- 前作の主人公、カイムと契約したレッドドラゴン。前作ではカイムと共に帝国軍と戦っていた。
- 最終封印が崩壊した後、カイムの生きる世界を守るべく、自ら最終封印となることを申し出た。その後、今作本編よりの前の神官長ヴェルドレの施した新封印制度により、アンヘルはさらに強い負荷を受けその存在は五つの“鍵”によりあらゆる自由を奪われてしまう。見ることも、話すことも、そして「彼」の存在を感じることもできない漆黒の闇の中に封じ込められてしまう。ちなみに、鍵が壊されるたびにカイムはアンヘルに声をかけていた。
- 物語が進み全ての鍵が壊された時、アンヘルは復活した。アンヘルは人間に対する強すぎる憎悪により、世界を地獄の業火に包もうとしていた。カイムがアンヘルに呼びかけても、あまりの憎悪と怒りの強さゆえに気づかなかった。ノウェとレグナに倒された後は、正気に戻りカイムとの念願の再会を果たす。最期はカイムと共に、炎に包まれ死を迎えた。
- セエレ(声:村上想太)性別・男、年齢・24歳
- 前作にも登場している。この作では18年前に静かな森の宮殿跡にてヴェルドレに保護される。
- 6歳のときにゴーレムと契約して、その代償で時間を失い18年後の世界でも6歳の姿である。本編の3年前にヴェルドレが死んで以来は神官長の職についている。マナとは双子の兄妹ではあるが、セエレとマナの母は偏愛しており、セエレは溺愛していたが、マナには虐待をしていた。この事が原因でセエレは自分を追い詰めることをしている。
[編集] 新たに登場したフィールド
- 大神殿
- ノウェやエリスがいる封印騎士団の地である。ジスモアが封印騎士団の団長をやっている。ノウェがオローに拾われた後にこの地でエリス、ユーリックと共に剣の稽古をしていた。
- 明命の直轄区
- ノウェが正騎士になっての初めての任務を行った場所。ここの地域では魔物の数が多い。奥には、明命窟がありその中には鍵である『聖花』は命を吸って咲くため、人々や魔物がたくさんいる。さらにその最深部に命の祭壇があり、鍵である『聖花』が置かれてある。この地では本作の3年前に前神官長ヴェルドレや前団長オローが隻眼の男(カイム)に殺された出来事(封印襲撃事件)がおこり、ユーリックが死神と契約した地である。さらに本作ではノウェがカイムと戦い、ユーリックが死んだ地でもある。
- 気炎の直轄区
- 気炎の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるザンポが納めている地域である。この地の奥には炎洞塁がありその中には鍵である『聖火台』があり。霧が濃いのも『聖火台』のせいである。本作の数年前はザンポがこの地でイフリートと契約をした地でもある。本作ではこの地でマナと出会っている。マナは炎洞塁の最深部である。炎の祭壇でマナはザンポと戦い、鍵である『聖火台』を破壊しザンポが死んだ地でもある。
- 神水の直轄区
- 神水の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるハンチが納めている地域である。この地はノウェが前団長のオローに保護される前はレグナとこの地に暮らしていた忘れられた遺跡がある。この地には砂の村があるが環境は最悪である。神水の直轄区の鍵である『聖瓶』は大量の水を使うため川が干上がり水が飲めないため飢餓などで死ぬ人がたくさんいる、ノウェはマナと再会し、真実を見せられた。この地には、水城砦があり、そこでノウェとマナ、レグナは守護者のハンチの契約モンスター「ケルピー」と戦った地である。そこでハンチが死んだため鍵である『聖瓶』が破壊され、人々を封印騎士団の圧制から解放した。
- 宝光の直轄区
- 宝光の守護者であり、封印騎士団の連隊長でもあるヤハが納めている地域である。この地は錆の町があり、この町は18年前の連合軍と帝国軍の戦争の被害を免れた数少ない町である。この町は遊ぶ町であり、賞金稼ぎが多く封印騎士団もきているが治安はよくないらしい。本作ではこの町でノウェはユーリックと再会し、マナはカイムと再会した。鍵がである『聖宝玉』がある光城郭の周辺には『聖宝玉』の影響でこの周辺は1日中太陽の光がなく、月や星の光もない暗闇の地域である。数年前、ヤハはこの地でノームと契約した地である。光城郭の最深部には、光の祭壇がありそこでノウェ、マナ、ユーリックはヤハの契約モンスター「ノーム」と戦い、ヤハが死んだ地域でもある。
[編集] 新たなゲームシステム
- ブレススフィア
- 上空戦にて、レグナが使える特殊効果があるブレス攻撃が可能になった。このゲームではそれぞれ違う特殊能力のブレススフィアが5種類存在する。
- ドラゴンオーバードライブ
- 低空戦で、レグナに一定の魔力を与えることにより地上の敵に広範囲で強力な攻撃ができる。技の種類はレグナが進化することにより増えてくる。(最大4種類まで)
- 第1形態・・・ドラゴンオーバードライブは2種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃)
- 第2形態・・・ドラゴンオーバードライブは3種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃、尾による攻撃)
- 第3形態・・・ドラゴンオーバードライブは4種類(翼による攻撃、鉤爪による攻撃、尾による攻撃、ブレスによる広範囲攻撃)
- キャラクターセレクト
- 前作と違い、仲間の入れ替えが無制限となった。武器の種類によりキャラクター決定する。《使用できるキャラは4人まで(レグナは除く)》
- 長剣・短剣の種類・・・ノウェ
- 杖の種類・・・マナ
- 槍の種類・・・エリス
- 斧の種類・・・ユーリック
- 新コンボシステム
- □ボタンと△ボタンの組み合わせによりフィニッシュブローのタイプが決まってくる。長剣、短剣、杖、槍、斧、全部含め30種類ある。
[編集] エンディング
- エンディング1
- レグナが計算づくで育てていた事を知ったノウェ。神竜族の計画に反発するノウェは、レグナと袂を分かつ。死闘の末、レグナを倒したノウェだが、エリスは自ら最終封印となり、ノウェの前から姿を消した。
- エンディング2
- 神竜族の計画に乗り、神を倒す事を決意したノウェ。だが、「神の玩具」である『骨の棺』(※『骨の棺』とは、前作にも出てきた『再生の卵』の唯一特殊な存在。レグナは『骨の棺』と呼んでいる。ちなみに前作ではアンヘルが『断頭台』と呼ぶ台詞があったが、これは普通の再生の卵の事)がマナと同化し、ノウェの前に立ちふさがる。ノウェは骨の棺を打ち破るが、マナは永遠に失われてしまう。ノウェはエリスと共に神との戦いに挑み、最後のエンディングでは再び騎士団を束ねることになった。
- エンディング3
- 骨の棺を破壊したものの、神竜族の計画に疑いを抱くノウェ。彼は豹変したレグナに剣を向け、苦しい戦いの末にこれを打ち倒した。神も竜もいない新しい世界で、ノウェはマナ、エリス達と共に生きていくのだった。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:柴貴正
- ディレクター:安井章
- キャラクターデザイン:藤坂公彦
- 映像編集:横尾太郎
- 音楽:相原隆行
[編集] 小説版
[編集] 外部リンク
- DRAG ON DRAGOON 2 (スクウェア・エニックス公式ページ)