ナイトストライカー
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ジャンル | シューティングゲーム |
対応機種 | アーケード[AC] メガCD[MCD] プレイステーション[PS] セガサターン[SS] プレイステーション2[PS2] |
開発元 | [AC][PS2]:タイトー [PS][SS]:ビング |
発売元 | [AC][PS2]:タイトー [PS][SS]:ビング |
人数 | 1人プレイ専用 |
メディア | [MCD][PS][SS]:CD-ROM [PS2]:DVD-ROM |
発売日 | [AC]:1989年 [MCD]:1993年5月28日 [PS]:1995年7月28日 [SS]:1996年6月14日 [PS2]:2007年3月29日 |
価格 | [MCD]:7,800円(税抜) [PS]:6,800円(税抜) [SS]:5,800円(税抜) [PS2]:5,040円(税込) |
『ナイトストライカー』(Night Striker)は1989年にタイトーが発売した、疑似3D表現を用いた3Dシューティングのアーケードゲームである。企画者は「ぱぱら快刀」こと海道賢仁。
略称は、『ナイスト』である。
目次 |
[編集] 基本ルール
コクピット型の専用筐体に乗り込み、据え付けられた操縦桿を用いて自機インターグレイを操作し、操縦桿や筐体についた攻撃ボタンでレーザー弾とホーミングレーザー弾を使い分け敵を撃破する。各ステージ最後に出現するボスを倒すか一定時間逃げ切ればステージクリア。自機のダメージはシールド制になっており、シールドが残っていない状態でダメージを喰らうと自機が破壊されゲームオーバーとなる(特定ステージでは演出上の例外あり)。自機がダメージを受けるものは敵弾、ミサイル、敵や特定の障害物との接触である。なお、自機が破壊されたあと爆発するまで多少時間があるため、自機が煙を噴いている状態でも弾を撃ち敵を倒す事は可能。ステージはAからUまでの21個存在し、クリア後の通路の分岐によって次のステージを選択出来る。通算で6つのステージをクリアするとエンディングが流れてゲームオーバーになる。マップと同様に分岐する全6ステージ。
[編集] 筐体仕様
ナイトストライカーの専用筐体は国内出荷数が極端に少なかったと言われている。操縦桿をはじめとした故障が非常に多く、古いゲームでもあるため日本国内では殆どみかけなくなった。
- 操作系
- アナログレバー(操縦桿)と操縦桿についたトリガーボタン、操縦桿の左右にある攻撃ボタン(左右どちらも機能は同じ)で操作する。操縦桿側のトリガーボタンはそこそこの速度のオート連射の通常弾になっている。攻撃ボタンは通常の操作では同じく通常弾を撃つ。ホーミング弾の撃ち方は、敵のいる方向にレバーを入れ、同時にトリガーボタンか攻撃ボタンを押す。トリガーボタンを押し続けてオート連射している場合は、レバーを入れながら撃ってもホーミング弾にはならない。連続でホーミング弾を撃つためには、トリガーボタンを押し続け、自機を左右に振りながら攻撃ボタンを連射すると良い。
- ライトストリームシステム
- モニターの左右と上で光が流れるライトストリームシステム搭載。仕組みはモニタ上と左右の厚み部分の内部で回転体についた照明が走馬灯のように回るようになっている。3ヶ所の回転パターンはシーンごとに違い、回転速度は各ステージのスクロール速度に連動する。場合によっては逆回転もする。
- スライドシート
- シートを前方にスライドさせることができ、ライトストリームシステムとの相乗効果によりゲームへの没入感を高めることができる。
- リアスピーカー
- モニタ下部スピーカーのみではなくシートに装備されたスピーカーで後方からも音を出すことができる。背後からの戦闘機出現時などに合図として効果的に使われている。
- ボディソニック
- シート下部にボディソニックシステムを搭載。ダメージ演出時などに使われる。
[編集] ステージ構成
21のステージはいくつかのタイプに分類される。ステージ分岐時に表示されるステージ分類は以下の通り。
- CITY
- 道路の脇にビルが建ち並ぶ市街地のステージ。道路の脇に立ち並ぶビルに設置されている破壊可能な看板状の障害物がある。
- FACTORY
- 工場ステージ。屋内のため天井がある。所々に破壊不能な柱が障害物として存在する。左右は繋がっているためどこまでも行けるようになっている。
- CANAL
- 両側にビルが建ち並んでいるのはCITYステージと似ているが、下は道路ではなく運河になっているステージ。破壊不能なパイプ状の障害物がたくさん出現する。
- SEA
- 下が海面で特に障害物が無いステージ。左右は繋がっているためどこまでも行けるようになっている。このステージの敵が撃つミサイルは他の面より誘導がきつい。
- TUNNEL
- 狭い通路状のステージ。固定配置されているシャッターと開閉するシャッター(どちらも破壊不能)が障害物。このステージの敵が撃つミサイルは他の面より誘導が緩い。
- SKY
- ビル街の上空を飛ぶステージ。左右は繋がっているためどこまでも行けるようになっている。地面がないため走行点が入らない。
- SUBURBS
- 郊外の道路ステージになっており、ビルがない。道路の両側には破壊不能の鉄骨状の障害物が出現する。
- TEMPLE
- FACTORYに似ているが特に障害物が無いステージ。音楽が他と違った独特のものになる。左右は繋がっているためどこまでも行けるようになっている。
- STREET
- CITYを狭くしたようなステージ。
- FOREST
- オリジナル版にはないステージ。セガサターン移植版「ナイトストライカーS」に収録のEXTRA STAGE(分岐なし6面構成)の1面である。遠景は山岳、時間帯は昼間になっており、道路のない草原のようなステージである。破壊可能な木が障害物。
[編集] スペシャルボーナス
- ワイプアウトボーナス
- 各ステージ中の敵を全滅させてクリアすると20万点のボーナス。連続で達成しても倍率はかからない。
- パシフィストボーナス
- 自機から弾を一発も撃たず、かつノーダメージでステージをクリアすると、通算ステージ数+1×100万点のパシフィストボーナスが加算される。連続で達成すると前のステージのパシフィストボーナスの2倍のボーナスが加算される。なおRステージに出現する支援機(ティンカー・ベル)からオートで発射される弾で敵を破壊してもパシフィストボーナスには影響しない。ボス直前の敵自爆、ボス時間切れの敵自爆も同様にパシフィストボーナスには影響しない。ちなみにパシフィストとは平和主義者のことである。
- ボスタイマーボーナス
- 残りボスタイマー×10万点
- 10万点ボーナス
- E、J、Kゾーンの各ボスをタイマー1残してクリアする。
- ミステリーボーナス(パイプ抜けボーナス)
- Cゾーンなどにあるパイプの隙間を抜けると一回につき10万点加算される。
- オールクリアボーナス
- ゲームクリア時のシールド残量×100万点
[編集] 細かいフィーチャー
- 走行ポイントについて
- 空中にいるときよりも、地表を走っているときの方が加算される点数が高い。ゲームの難度設定によって、走行ポイントは変化する。稼ぎの時は極力地面を走行しなければならない。
- 嘘スコアチェック機能搭載
- 最終スコアのどの桁かの数字に秘密があるらしいが詳細は不明。
- 隠しボス(トワイライトミラージュ)
- ステージSまでノーコンティニューで進み、3体のボスのうち、真ん中の色の違うものを最後に倒すと隠しボスが出現する。出現時にボーナス点が入る。
- 最終面では、自機に対してゾーンごとに様々な変化が起こる。
- P(FACTORY):インターグレイがフィギュア形態に変形する。縦方向に長いためやられ判定が大きくなる上に前方視界が悪化する。通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
- Q(SKY):ステージ冒頭でインターグレイが被弾し、P.A.U(Personal Armored Unit)を装備したパイロットが脱出。飛行しながら戦う。やられ判定が小さくなる。通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
- R(STREET):支援機(ティンカー・ベル) が出現し、自機に追従しながら自動で援護射撃をしてくれる。
- S(TEMPLE):装甲を強制的に排除させバイク形態になる。地面を走るため左右にしか移動出来なくなるが、レバー下方向がバイクのジャンプ操作に変わる。やられ判定が小さくなる。通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
- T(SUBURBS):インターグレイにブースターユニットが合体する。前方3方向に弾を発射することができるようになる。
- U(SEA):フルバトルフォーメーションに変形する。前方2方向に敵を貫通する弾を発射することができるようになる。
[編集] 演出・音楽
BGMはZUNTATAのMar.が作曲。 夜で統一された秀逸な世界観を持て余すことなく表現したBGMは高く評価されている。
[編集] 家庭用版
1993年5月28日発売。通常BGMとアレンジBGMが選択可能になっている。解像度が低いため見た目はアーケード版に比べ非常に悪くなっているが、スピード感や操作性はアーケード版を忠実に再現している。
1995年7月28日発売。見た目は大きく改善され、アーケード版と遜色ないレベルになったが、「アナログコントローラーに対応していない」、「動きがぎこちない」、「アーケード版と違う部分が多すぎる」等、アーケード版のファンにとっては不満の多い内容となってしまった。これはタイトーがアーケード版開発時の資料やソースコードを紛失してしまい、ビングのスタッフはアーケード基板を解析するなどして見よう見まねで移植しなければならなかったためとされている。(パッケージ裏面には「この商品は㈱タイトーの許諾を得てアーケード版のナイトストライカーを参考に作った商品です」と記載されている)
1996年6月14日発売。タイトルは『ナイトストライカーS』となっている。アーケード移植の本編とは別に、オリジナルモードのEXTRA STAGE(分岐なしの6面構成)が追加されている。アナログコントローラーに対応し、プレイステーション版とアーケード版で異なっていた部分の一部がアーケード版と同等になるよう変更されたが、相変わらず完全移植とは程遠い内容だった。
2007年3月29日発売のタイトーメモリーズII 下巻に収録。ゲームが起動した後はアーケード版同様に、読み込みによる一時ゲーム進行停止は一切発生しない。オプション設定では難易度、シールド数の変更、シールドの回復量の変更、操作の上下反転の設定、ボタンの割り当て変更などが可能。