ナイトビジョン
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ナイトビジョン(Night vision)とは、暗闇の中で赤外線を照射して、赤外線カメラでとらえたわずかな光を増幅することにより可視化する装置である。暗視鏡とも呼ばれる。
元々は軍事技術として開発・発展したものだが、精度は落ちるものの自動車など民生用に使用される事もある。
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[編集] 概要
肉眼では判別できない暗闇の中で赤外線を照射、反射したわずかな光を増幅管を通すことで画像として可視化する。暗闇での使用を前提としているため、昼間にキャップを外すとショートして壊れる。大別するとスコープ型とゴ-グル型に分類される。民生用に市販されているものには、画像の鮮明度により第一世代から第三世代まであるが、軍事目的に転用可能なため生産国の輸出制限など様々な制限がある。政府機関以外の購入は第二世代または第二世代プラスの製品までとなっており、許可が必要な場合もある。 個人使用では第二世代までしか許可が下りない。
可視光線の波長の中間の色が緑色で、最も知覚しやすい色であることから、鮮明度の高いナイトビジョンの画像は緑色である。
[編集] 自動車のナイトビジョン・システム
自動車のナイトビジョン・システムは、自動車の前方部、通常はバンパーもしくはフロントグリルより赤外線を照射し赤外線カメラでとらえた映像をヘッドアップディスプレイに表示し、夜間の視界を拡大することで安全走行に寄与する夜間運転支援システムである。各自動車会社が考案し実用化しているが、コスト等の問題から全車に装備するまでは至っておらず、採用されているのは一部の高級車もしくは用途の特定された専門車に限られている。各自動車会社により異なった名称で呼ばれることがある。
- ナイトビュー
- トヨタ自動車が開発したシステムで、近赤外線を利用しており、認知可能範囲およそ150m、最大およそ250mほどの距離を照射することが出来る。クラウンマジェスタやランドクルーザーシグナスに採用されている。
- インテリジェント・ナイトビジョンシステム
- 本田技研工業が開発したシステムで、遠赤外線を利用しており、2基の赤外線カメラにより歩行者や対向車の位置や動きを検知して、画面上の表示とブザー音により運転者の注意を促すシステム。レジェンドに採用されている。
[編集] 関連項目
- 暗視装置
- ノクトビジョン