ニュースワイド 欽ちゃんのもっぱらの評判
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ニュースワイド 欽ちゃんのもっぱらの評判とは、ニッポン放送系列で1987年10月2日から1988年3月25日に放送されていたラジオ番組である。萩本欽一の冠番組。毎週金曜日の18:00-20:00に放送。
全国の聴取者から、身近で起こったちょっと笑える「個人的ニュース」を電話で募集し、番組内で採用されると本職のアナウンサーによってニュースが読み上げられる、という内容。ニュースコーナーの間には、聴取者が電話で出演し、直接萩本と話すコーナーが多くあり、かつてのラジオ版「欽ちゃんのドンといってみよう!」のテイストと、テレビでの萩本が得意としていた「素人いじり、アドリブ」の両方が活かされていた。
番組終了後、日本テレビ系列で、この番組をテレビ化したような欽ちゃんの気楽にリン、欽きらリン530!!が放送されたが、こちらは視聴率で苦戦を強いられていた。
目次 |
[編集] 出演者
- 萩本欽一(メインパーソナリティー)
- 西田まり(アシスタント。当時ニッポン放送アナウンサー)
- 桜庭亮平(ニュース読み上げ担当。当時ニッポン放送アナウンサー)
- 井土厚(取材担当。ニッポン放送の放送記者)
- 関くん(フルネーム不明。ニュースへの茶々入れ役)
[編集] コーナー
[編集] 18時台
- オープニング
- トキのキンちゃん(最後の日本国産のトキ。2003年10月10日に死亡)の鳴き声で番組がスタートする。もちろん「欽ちゃん」とかけているのだが、初回で放送したこの鳴き声が面白く聞こえたため、キンちゃんはこの番組のマスコット的存在となった。
- 今日のメニュー
- 聴取者の電話参加コーナー。今日の夕食のメニューを1品ずつ野球の投球に見立て、「ストライク」だったか「ボール」だったかを報告する。出場者には、スポンサーであるファミリーレストランより食事券が贈られた。
- 花と涙のウィークエンド
- 聴取者の電話参加コーナー。「今日のメニュー」終了後に放送。週末を明るく過ごす人と暗く過ごす人と同時に電話でトークし、比較する。明るい週末は女性の、暗い週末は男性の出場者が多かった。こちらも、出場者に食事券が贈られた。
- 小堺が週代わりの女性ゲストとトークする。このコーナーは、「もっぱらの評判」が未放送でも放送されていた地域があった。コーナー終わりで、小堺が萩本に一言ネタを言うのが恒例だった。
- 口ぐせのコーナー
- 聴取者の電話参加コーナー。身の回りにいる人の面白い口ぐせを紹介してもらう。なぜか、コーナー名が微妙に毎週変わっていた。
- 反逆のごあいさつ'88
- 聴取者の電話参加コーナー。「口ぐせのコーナー」終了後に放送。普段使うあいさつを、いつもと違う言葉で言ってみよう、というもの。ただし、実際のあいさつは初回の「いただきます」編のみで、その後はコーナー名はそのままで「間違い電話がかかってきたときの、面白い対処法(という名目のネタ)」を披露するコーナーとなった。
- 違いが分かる、俺に聞け!
- 聴取者の電話参加コーナー。「反逆のごあいさつ'88」終了後に放送。「イクラと筋子」「アシカとアザラシ」のような、似ているものの違いの見分け方を説明する。もちろん、萩本曰く「誰も本当のことを言わないのが面白いね」という内容だった。
- ハガキン(ハガキで欽ちゃん)
- 唯一のハガキによる投稿コーナー。3段オチの「もっぱらアンケート」や「会話ネタ」を募集していた。投稿数があまりにも少なかったため、最優秀作品には「番組の予算を考えた上での希望賞品」を贈る制度を導入したが、「個人ニュースが多く来すぎて読みきれない」との理由で途中終了。以降は、学校に関する個人ニュースの時間となった。
※この後、「本当の」ニュース、交通情報、これまで寄せられた個人ニュースの一部を紹介。本当のニュースはニッポン放送の新人アナウンサーが担当し、桜庭が「練習が足りない」などと茶々を入れていた。
[編集] 19時台
- 聴取者の電話参加コーナー。2人の出場者が電話でしりとりを行う勝ち抜き戦。1人勝ち抜きで賞金5,000円、5人勝ち抜きでグランドチャンピオン。「もっぱらの評判」が未放送でも放送されていた地域があった。
- このコーナーは、当時の月曜から木曜まで高田文夫が担当していた「巨匠・高田文夫のラジオで行こう! 」でも放送されていたが、金曜日だけルールが異なり、「テーマに沿いつつ、面白い言葉を出した方が勝ち」というものであった。勝ち抜き途中で時間切れとなった場合、勝ち抜き者は次週の金曜日に再出場した。判定は出演者の協議で行われたが、途中から「秋田弁を使うコンピュータ(正体は桜庭)」が審判となり、女性出場者に甘い判定を繰り返していた。
- 個人ニュース(19:30~)
- 当番組のメインコーナー。聴取者からの個人ニュースを紹介していく。週ごとに「スポーツニュース」「年末年始情報」「合格速報」「バレンタイン直前情報」などの特集コーナーもあった。
- また、放送記者の井土厚による外部中継もあったが、いつも寒い場所に派遣され(時には冷蔵庫の中ということも)、ひどい目に遭わされていた。途中からはスタジオ出演に「昇格」となり、特に注目されたニュースの追跡取材を行っていた。
- エンディング
- その週のニュースを振り返り、「もっぱら大賞」を決定。投稿者には賞金10,000円が贈られた。該当が2名の場合もあり、そのときは5,000円ずつ贈呈。
[編集] エピソード
- ワンポイントニュース
- 個人的ニュースということで、たわいもないニュースも数多く紹介されたが、中でも「今日起きたら夕方だった」「今、うちの蕎麦屋はガラガラだ」などの簡潔に言い切った投稿は「ワンポイントニュース」と呼ばれ、好評だった。また、「私は~~に向いてない」というオチのニュースもよく寄せられた。
- ポチ・タマ・トキ
- 「欽ドン!」にて、投稿の面白さを「バカウケ・ヤヤウケ・ドッチラケ」と評していた萩本だったが、当番組では「はっきり言うのはかわいそう」ということで、それぞれが「ポチ・タマ・トキ」という言い方をされた。トキは、オープニングに登場したキンちゃんのことである。受験の合格速報ニュースでは、合格を「ポチ」、不合格を「トキ」と呼んでいた。番組後期には、キンちゃんの鳴き声が録音された目覚まし時計が番組グッズに登場し、面白かった電話出演者やニュースには、キンちゃんの鳴き声がして、この時計が贈られていた。
- しりとり・いきなり「ん」事件
- しりとりグランプリ最大のハプニング。「出前で注文するもの」というテーマで、出場した女性が開始直後で「ラーメン」と言って負けてしまった。この女性は最終回の「敗者大会」にも出場し、こちらでは見事に優勝した。
- しりとりグランプリでは、他にも「勝ち抜き者が、翌週は塾のために出演できず、母親が代打で出場(ちなみに、コンピュータの温情で1人勝ち抜いた)」、「『る』のつく言葉が『ルビーの指輪』しか出ないので、これを禁句とする」などのハプニングがあった。
- 上海列車事故の影響
- 1988年3月26日の放送では、3月24日に発生した、修学旅行で上海を訪れた高知県の高校生が列車事故に遭った事件の特集のため、19:30からの個人ニュースのコーナーは中止となった。