パラコート連続毒殺事件
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パラコート連続毒殺事件(ぱらこーとれんぞくどくさつじけん)とは1985年4月30日から11月17日の間に日本各地で発生した、何者かによる無差別毒殺事件。この事件では12人が死亡している。
[編集] 確認されている犠牲者
- 4月30日、岡山市内を走行していたトラック運転手(当時45歳)が広島県福山市内の自動販売機でドリンクを購入した際、自販機の上に置かれていたドリンクを持ち帰り、それを飲んだ2日後に農薬中毒で死亡。トラック運転手の嘔吐物から除草剤であるパラコートが検出された。
- 9月11日、大阪府泉佐野市の男性(当時52歳)が外出先の自販機でドリンクを購入した際、取り出し口にもう一本同じドリンクがあったため一緒に持ち帰って飲み、3日後の9月14日に死亡。ドリンクからパラコートを検出。
- 9月11日、三重県松阪市で大学生(当時22歳)が、自宅近くの自販機でドリンクを購入した際、同じ物が2本あった為、持ち帰って飲み、3日後に死亡。この件ではパラコートではなく、ジクワットという毒物が検出された。
- 9月19日、福井県今立町(現:越前市)の男性(当時30歳)が同様にして死亡。胃洗浄の際にパラコートを検出。
- 9月20日、宮崎県都城市の男性(当時45歳)が死亡。飲み残しのドリンクからパラコートを検出。
- 9月23日、大阪府羽曳野市の男性(当時50歳)が同様に死亡。
- 10月6日、埼玉県鴻巣市で男性(当時44歳)が同様に死亡。
- 10月15日、奈良県橿原市の男性(当時69歳)が同様に死亡。
- 10月21日、宮城県の男性(当時55歳)が同様に死亡。
- 10月28日、大阪府河内長野市の男性(当時50歳)が同様に死亡。
- 11月7日、埼玉県浦和市(現:さいたま市)で男性(当時42歳)が同様に死亡。
- 11月17日、埼玉県児玉郡の女子高校生(当時17歳)がドリンクを飲んだ一週間後に死亡。この時には自販機に業者から事件についての注意書きがしてあった。
いずれも自動販売機の取り出し口に置いてあったものに毒物が混入されていた。 また、この事件を受けて、飲料製造会社がびん容器の形状を改良したりした。
[編集] 関連項目
- パラコート - パラコートは無臭の液剤で当時市販されており、印鑑さえ持っていけば農協などで買うことができた。致死量は15CC。
- 青酸コーラ無差別殺人事件