パレオパラドキシア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パレオパラドキシア(Paleoparadoxia)は、約1,300万年前に絶滅した束柱目の哺乳類。 西日本から北米、メキシコまでの太平洋沿岸に生息していた。体長は1.5-2.0mほどで、海浜で現在のカバのように水辺を歩いたり、水中に潜ったりする生活をしていたと考えられている。基本的に草食動物で、深く潜ることはできなかったと推測される。
日本では福島県伊達市梁川町の広瀬川河床の梁川層で、1984年(昭和59年)8月21日に発見された梁川標本が有名。ほぼ完全な形で発見されたのは世界で4例目であり、頭骨まで正常な形で発掘されたのは梁川標本以外にはアメリカ合衆国北カリフォルニアのSLAC(Stanford Linear Accelerator Center、スタンフォード大学の物理学研究施設)にあるのみ。
1978年、福島県では干ばつの被害があり、広瀬川も水量が極端に少なくなっていた。そのため、露出した河床で発見となったのである。当時の横浜国立大学長谷川善和教授(古生物学、現在は群馬県立自然史博物館館長)、福島大学鈴木敬治教授(地質学)らが研究に当たった。現在は福島県会津若松市の福島県立博物館に収蔵されている。
他に日本では岐阜県瑞浪市、埼玉県秩父市、群馬県安中市、岡山県津山市(1982年)でも化石が発掘されている。
[編集] 参考文献
- 沼野忠之 「津山地方に珍獣パレオパラドキシアがいたころ」『自然への想い 岡山 - 昔を探り、今を見つめて』 倉敷の自然をまもる会編、山陽新聞社、1993年、40-45頁、ISBN 4-88197-458-0。
[編集] 外部リンク
- パレオパラドキシア(島根大学 汽水域研究センター)