フィル・ティペット
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フィル・ティペット(Phil Tippett, 1951年 - )は、アメリカのストップモーション・アニメーターで、特殊効果スタッフ、または映画監督。イリノイ州出身。カリフォルニア大学アーバイン校卒。
7歳のときにレイ・ハリーハウゼンの『シンドバッド七回目の航海』を見て特殊撮影に魅せられ、その道を志した。
カリフォルニア大学でデニス・ミューレンと出会い、『スター・ウォーズ』に参加し、モンスター・チェスの場面などを担当。『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』では冒頭のトーントーンや帝国軍のAT-ATスノーウォーカーのシーンを作り出し、一躍有名になる。
1983年の『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』ではルーカスフィルムのクリーチャー部門主任として参加、アカデミー賞で特殊視覚効果賞を受賞した。
1981年、映画『ドラゴンスレイヤー』の頃ストップモーションを洗練した独自の手法「ゴー・モーション」を開発する。
1984年にはSFX会社、ティペット・スタジオを設立。『ロボコップ』シリーズなどを手掛ける。
しかし1991年、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ジュラシック・パーク』で転機を迎える。当初この映画では恐竜の表現にゴー・モーションを使う予定だったが、デニス・ミューレン率いるILMが試作したコンピュータ・グラフィックス(CG)の恐竜の映像が素晴らしかったため、ティペットはCGに仕事を奪われる。このため、ストップモーション・アニメのように動きを一コマずつコンピュータに入力するDIDという装置を開発し、恐竜全体の動きを監修、再びアカデミー賞で特殊視覚効果賞を受賞。
1997年の『スターシップ・トゥルーパーズ』でもDIDを使用し、CGによる昆虫型エイリアンに動きを付けている。
2004年、『スターシップ・トゥルーパーズ2』で映画監督デビュー。
[編集] 主な作品
- 『スター・ウォーズ』 -Star Wars(1977年)
- 『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』-Star Wars: Episode V - The Empire Strikes Back (1980年)
- 『ドラゴンスレイヤー』 -Dragonslayer (1981年)
- 『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』 -Star Wars: Episode VI - Return of the Jedi (1983年)
- 『ロボコップ』-RoboCop (1987年)
- 『ロボコップ2』 -RoboCop 2 (1990年)
- 『ジュラシック・パーク』 -Jurassic Park (1993年)
- 『ドラゴンハート』- Dragonheart (1996年)
- 『スターシップ・トゥルーパーズ』 -Starship Troopers (1997年)
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