フィーダー線
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フィーダー線(フィーダーせん)とは、高周波電流を伝送するために用いられる電線の一種である。2本の導線を対称型に、平行となるように保持した構造となっている。主に受信機・送信機とアンテナの接続に用いられる。
フィーダー線は2本の導線の電位が平衡(アースに対して条件が同じ)であるため、接地型アンテナなど不平衡(アースに対して電位の条件が非対称)の負荷に対してはバランを介して接続する。
[編集] 種類
用途により、次のような種類に分類できる。
- リボンフィーダー(VHF用平行フィーダー)
- 2本の軟銅線を軟質ポリエチレンで平行となるように保持したもの。VHF帯におけるテレビ受信用に広く用いられる。構造上、外部にも電界が発生するため周辺の物体、表面の汚れなどの影響により特性が変化しやすい。海岸地域などで用いる塩害防止用の製品もある。特性インピーダンスは300Ω。
- めがねフィーダー(UHF用平行フィーダー)
- 2本の軟銅線の周囲を発泡ポリエチレンなどで覆い、さらに軟質ポリエチレンで平行となるよう保持したもの。リボンフィーダーより特性が安定しており、UHF帯におけるテレビ受信用に用いられる。特性インピーダンスは200Ω。
- はしごフィーダー
- 2本の導線を絶縁物によって一定間隔に保持したもの。オープンワイヤー、平行二線式フィーダーともいう。大電力の送信用など特殊な用途に用いられる。
[編集] 使用方法
- 損失を少なくするため、最短距離で配線することが重要である。
- フィーダー線を用いて折返しダイポールアンテナを作ることができる。FMラジオ放送の受信用、およびアマチュア無線用の簡易アンテナとして用いられる。