フィーバー
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フィーバー(fever)
- 熱狂すること。由来は映画「サタデー・ナイト・フィーバー」より。
- 株式会社三共が1980年7月29日に発売したパチンコ機種、またその技術を継承し応用した一連のシリーズ。本稿で記述する。
[編集] 概要
フィーバー (FEVER) は、日本のパチンコ機器メーカーの三共 (SANKYO) が開発したパチンコ台のシステム。またそのシステムを採用した三共のパチンコ台のシリーズ名。三共の登録商標である。スタートと呼ばれる入賞口に球が入ると、中央に設置されたドラムが回転し、図柄が揃うと大当たりとなり、中央下部の大きな入賞口が一定時間開放され続けるシステム。現在主流であるデジパチの起源となった。
1980年、スペースインベーダーのブームにパチンコ業界が苦境を迎えるなかフィーバー機は登場した。三共の営業担当者がパチンコファンから聞いた「昔のパチンコ台は度々故障し、入賞口が開いたままになったり、球が続けて止まらなくなったりしたが、それが刺激的で非常に面白かった」という話が、「故障した時のように球が一度に大量に出るパチンコ台」を開発するきっかけとなった。大量に球が入賞口に流れ込むように釘の配置と入賞口の大きさを工夫し、またその入賞口を開く制御はラスベガスのカジノのスロットマシンからヒントを得て、回転ドラムを採用した。開発されたパチンコ台は熱狂を意味するフィーバーから「三共フィーバー」と名付けられた。この回転ドラムはステッピングモーターでなく、大当りの判定はドラム停止用のカムが作動してレーザー光線による判定だったので、デジタル表示方式のデジパチと同じく出目の移行パターンから「リーチ目攻略法」が開発され、大いにパチプロの懐を潤した。(後年、ステッピングモーターが採用されたが、「連荘打法」が存在した。)
発売当初、大量に球が出るというシステムがパチンコホールに受け入れられなかったが、新潟県長岡市のパチンコホールが設置したところ、立ち見がでるほど客が殺到した。以後このシステムは大人気となり、パチンコ台の主流システムとなった。
フィーバーが発売されたデジパチ黎明期は、無制限に継続する可能性があるためその分リスクが大きく、当局や業界関係者は庶民の憩いの場が賭博場化すると危惧していたため、以後法規制や自主規制を繰り返し、いまなおシリーズが発売されて現在に至っている。2004年には新基準機として「CRフィーバー大ヤマト2」を発売した。
「フィーバー」「FEVER」はそれぞれ三共の登録商標であるため、機種名やシステム、また大当たり時などに「フィーバー」の語句を用いることができるのは、三共および三共と特別なライセンス契約を結んだメーカー(ビスティなど)だけである。パチンコ台メーカー大手の平和は、同様のシステムを「ブラボー」と名付けているが、この呼び名はフィーバーほどパチンコファンの間に浸透していない。(ちなみに平和の「ブラボー」も平成9年に登録商標として登録)
余談であるがパチスロ関連として、アルゼが『くるくるフィーバー』(パズルゲーム名)を登録商標としている。
[編集] スペック
- 『フィーバー(三共フィーバー)』(1980年7月)
- 大当たり確率 1/250
- ドラム絵柄「7(太陽)」3つ揃いとドラム上のデジタルが「7」で大当たり
- 賞球数 13 大当たり 無制限ラウンド×30秒解放(ホールの打ち止め方式で終了)
※大当たり確率の値はメーカー発表
[編集] 参考文献他
- 相田洋 「新・電子立国 第3巻 世界を変えた実用ソフト」1996 (ISBN 4-14-080273-1)