プロポフォール
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プロポフォール(propofol)、化学名2,6ジ-イソプロピルフェノール(2,6-diisopropylphenol)は鎮静作用のある化学物質である。分子式C12H18O、分子量178.27。
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[編集] 化学的性質
無色~微黄色透明の液体で脂溶性であり、エタノール、ジエチルエーテル、ヘキサンなど有機溶媒にはよく溶けるが、水にはほとんど溶けない。
[編集] 人体に対する作用
[編集] 医薬品としての利用
プロポフォールの主な用途は医療分野における鎮静薬としての使用である。プロポフォールの持つ中枢神経抑制作用を利用し全身麻酔の導入、維持に用いられる。また、集中治療における人工呼吸時の鎮静にも頻用される。プロポフォール自体は上記のように水に溶けづらいので販売されているプロポフォール製剤は脂肪製剤を乳化剤としたエマルションの形を取っている。投与経路は点滴からの静脈内注入である。投与開始後速やかに作用が発現し、投与された患者は数十秒で意識を失う。また、投与を中止した場合、それまでの投与速度、投与時間にもよるが通常10分前後で患者の意識が回復し刺激に応じて開眼する。
[編集] 副作用
- 心臓および血管系に対して抑制効果を有するため過剰に投与した場合心拍数、血圧の低下を招く。
- 呼吸抑制作用があり呼吸が不十分になる、あるいは停止することがある。従って十分な監視下で使用されなければならない。
- 注入時の血管痛が報告されている。プロポフォール製剤の注入に伴い注入部位周辺に疼痛を覚える現象である。