ヘラクレスオオカブト
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?ヘラクレスオオカブト | ||||||||||||||||||||
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湿気が多いと翅が黒くなるが、 本来は黄色に黒の細かい斑点がある |
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Dynastes hercules | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Hercules beetle |
ヘラクレスオオカブトまたはヘルクレスオオカブト(学名Dynastes hercules・英名Hercules beetle)は、コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族に分類される昆虫の一種。世界最大のカブトムシとして有名である。名前はギリシャ神話の英雄ヘラクレスに由来する。
目次 |
[編集] 身体的特徴
[編集] 角
オスの成虫は頭角と胸角が共に長く、体長とほぼ同じくらいの長い角を持つ個体もいる。角を含めた全長は最大18cmにも達するため、世界最大のカブトムシとされ、外国産カブトムシの代表格である。日本のカブトムシと同じく、メスの成虫には角がない。
胸角と頭角はそれぞれ胸部と頭部についており、このため頭角は上下に動かすことができる。これにより、ヘラクレスオオカブトは相手の腹の下に頭角を入れ、胸角と挟み、持ち上げて投げ飛ばす戦法を使うことができる。これも人気の理由のひとつである。胸角の内側には褐色の毛が生えている。
[編集] 前翅
前翅は黄褐色を帯びるのも特徴である。黒い斑点の大きさや数、また全体の色合いの濃さなど、個体によって違いが見られるが、これは亜種による違いではない。一般に黒い斑点が目立たない方が美形とされ、愛好家の間で支持されている。
前翅は湿度が高いと黒褐色だが、湿度が下がると黄褐色が濃くなる。飼育下では湿度が高くなりやすく、黒くなった状態になることが多いようだ。写真などで見るヘラクレスオオカブトはだいたいが乾燥時のものであり、常時前翅が黒色の同属のネプチューンオオカブトとの区別を前翅の色だと誤解することが多いが、ネプチューンオオカブトには2本の長い角のほかにも左右に1対小型の角を有しており、これによって簡単に判別することができる。メスには前翅は尻のほうのみ色づく。
前翅が水色の個体もまれに存在し、ブルーヘラクレスなどと呼ばれ珍重される。
[編集] 生態
中央アメリカから南アメリカの熱帯雨林に断続的に分布する。幼虫は朽木や腐葉土の中で1年半-2年程かけて成長するが、飼育下では1年半で羽化することも多い。オスでは蛹化前に100gを超えることも珍しくない。
成虫は、オスで体長18cmまで成長する。また羽化後は成熟まで3~6ヶ月ほど要する。樹液や腐った果実を好み、それらを求めて地上を移動する。成虫の期間も長く、1年から1年半ほど生きる個体もいる。
雨が降った後に活動が活発になり、灯火にもよく飛来する。現地には四季がないため一年を通して見られるが、採集例は8月、12月の雨季に多いようだ。
[編集] 飼育
基本的には日本のカブトムシと変わりないが、大型のカブトムシ全般に言えることだが幼虫・成虫共にカブトムシより更に大食漢である。量的な問題と、角が邪魔になる関係で、餌となる昆虫ゼリーは大きいものがよい。
幼虫は羽化までに1年半~2年程を要する。餌もカブトムシより発酵したものを好む。蛹室は横に長いため、飼育容器の大きさや形にも考慮する必要がある。
[編集] 亜種
多くの亜種が知られていたが、分類の混乱のため、全てシノニムとなった。胸角の太さや突起の位置により区別することができる。
一般名 | 胸角の太さ | 胸角突起の位置 | 頭角先端の突起の形状 | 頭角基部の突起の有無 |
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ヘラクレス | 普通 | 中央 | 尖る | あり |
リッキー | 太い | 基部 | なだらか | あり |
オキシデンタリス | 細い | 基部 | なだらか | あり |
エクアトリアヌス | 細い | 基部 | 尖る | あり |
セプテントリオナリス | かなり細い | 基部 | 尖る | あり |
トリニダエンシス | 太い | 中央 | 尖る | あり |
パスコアリー | 太い | 中央 | 尖る | なし |
バウドリー | 不明 | 不明 | 尖る | なし |
ブリューゼニ | 太い | 基部 | 尖る | あり |
タカクワイ | 普通 | 基部 | なし | なし |
レイディ | 不明 | なし | なし | なし |
トゥクストラエンシス | 細い | 基部 | なだらか | あり |
モリシマイ | 普通 | 中央 | 尖る | あり |
- ヘラクレス D.h.hercules - カリブ海沿岸に生息する。胸角が太く直線的に伸びることから人気がある。大きさもlichyiに次いで大きい。ヘラクレス・ヘラクレスとなることから、愛好家の間では略して「ヘラヘラ」と呼ばれることがある。頭角の突起が5本程ある。
- リッキー D.h.lichyi - 南アメリカ北東部に生息する。最も大型になり、大型個体では胸角が大きく湾曲する。生息範囲も広く、入荷も多い。
- オキシデンタリス D.h.occidentalis - 南アメリカ北西部に生息する。
- エクアトリアヌス D.h.ecuatorianus - アマゾン川上流に生息する。
- セプテントリオナリス D.h.septentrionalis - 中央アメリカに生息する。胸角が極端に細い。
- トリニダエンシス D.h.trinidadensis - トリニダード・トバコ・ベネズエラに生息する。
- パスコアリー D.h.paschoali - ブラジル東部に生息する。胸角の太さが基部から先端まで一定を保っている。頭角に突起が見られないのも特徴。
- バウドリー D.h.baudrii - サンダルシアに生息する。非常に珍しく、角があまり発達しない点で他と大きく異なっている。
- ブリューゼニ D.h.bleuzeni - ベネズエラ頭部に生息する。
- タカクワイ D.h.takakuwai - ブラジル西部に生息する。
- レイディ D.h.reidi - セントルシア島に生息する。
- トゥクストラエンシスD.h.tuxlaensis - メキシコ南部に生息する。
- モリシマイ D.h.morishimai - ボリビアに生息する。
[編集] 参考文献
- KUWATA 1999年2月号 ワイルドプライド