ヘーチマン・サハイダーチュヌィイ (フリゲート)
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U130 ヘーチマン・サハイダーチュヌィイ(ウクライナ語:U130 «Гетьман Сагайдачний»ヘーチマン・サハイダーチュヌィイ)は、ウクライナ海軍の護衛艦。ウクライナでは「護衛艦」(ескортний корабельエスコールトヌィイ・コラーベリ)と呼ばれているが、より一般的な区分では「フリゲート」(фрегатフレハート)に含められる。スラヴァ級ミサイル巡洋艦ウクライィーナの就航が遅れているため、現在もウクライナ海軍のフラッグシップ的存在となっている。
艦名は、16世紀~17世紀に活躍したウクライナ・コサックのヘーチマンであるペトロー・コナシェーヴィチ=サハイダーチュヌィイの名に由来する。ロシア語名ではゲートマン・サガイダーチュヌィイ(ロシア語:Гетман Сагайдачный)となる。また、「ヘーチマン」は日本語では慣習的に「ヘトマン」や「ゲトマン」と表記されることが多いため、この艦名に関しても同様の表記が考えられる。
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[編集] 概要
元々はソ連のKGB国境警備隊用として起工され、予定艦名はキーロフであった。建造途中でソ連邦が解体、独立したウクライナに接収されヘーチマン・サハイダーチュヌィイに改名、1993年にクリミア自治共和国のケルチにあるB・E・ブートマ記念ザリーフ工廠第532海軍工廠カムィーシュ・ブルーン造船所で、11351 ブレヴェースニク級フリゲートの通算8番艦として竣工した。同国で最も新しく最も大型のフリゲートである。
艦には、短射程艦対空ロケット(艦対空ミサイル)・コンプレックスや100 mm両用砲、30 mm多砲身機関砲、3次元レーダー及び航法機械、各種データー処理機器及び指揮・通信設備、電子戦用設備、水中音響探知機などの近代装備を有する。また、後甲板にはKa-27などのヘリコプターを搭載するための飛行甲板と格納庫が備えられているが、活動地域が黒海やアゾフ海などに限られるため、ヘリコプターを搭載することは多くない。
ウクライナ海軍において作戦可能状態にある唯一のフリゲートであり、就役以来活発な動きを見せていたが、2007年1月より61コムーナ造船所(ミコライフ市)でオーバーホールが開始された(従って、2007年、ウクライナ海軍には行動可能なフリゲートが1隻も無い)。
[編集] 要目
- 全長:123.00 m
- 喫水線長:113.00 m
- 全幅:14.20 m
- 喫水:4.20 m
- 上甲板までの高さ:9.56 m
- 標準排水量:3150 t
- 満載排水量:3750 t
- 動力機関:COGAGM62巡航用タービン×2基:12000馬力+M8Kブースト用タービン×2基:36000馬力、計48000馬力、2軸推進
- 速力:30 kn+
- 航続距離:14 knで3900 浬
- 乗員:190 名
- 電子装備
- 3次元長距離捜索レーダー
- 火器及び艦対空ロケット管制レーダー
- 水上監視レーダー
- 航法レーダー ×2
- 電子戦妨害装置
- 主な武装:100 mm単装両用砲 AK-726 ×1、30 mm多砲身機関砲(6砲身、近接防御火器システム) AK-630M ×2、艦対空ロケット(ミサイル)発射機 9K33 OSA-MA2 ×2、魚雷発射管 ChTA-53 ×2、対潜ロケット発射管 RBU-6000 ×1、機雷など
- 艦載機:Ka-25、Ka-27、Ka-28、Ka-29のいづれか1 機
[編集] 関連項目
同型艦
先代の艦
- ヘーチマン・ペトロー・コナシェーヴィチ=サハイダーチュヌィイ
[編集] 外部リンク
※画像リンク
[編集] 外部リンク
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