ペドロ・アルモドバル
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ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar, 1951年9月24日 - )はスペインの映画監督・脚本家
[編集] 来歴
カスティーリャ・ラ・マンチャ州出身。独裁者のフランコ政権の抑圧下に育つも、民主化への移行のもとで起こった反権威的な音楽・絵画・映像などの芸術活動に加わる。その当時はパンクバンドに属していたこともある。やがて自主制作で撮影した『Pepi, Luci, Bom y otras chicas del montón』が評判となり以後矢継ぎ早に作品を発表、初期から中期はその独特なストーリーと世界観、強烈な色彩感覚などから国内外で熱狂的なファンを獲得、そして中期の「ハイ・ヒール」辺りから作風に円熟味が増し、高い評価を得るに至る。息子を失った母親を描いた『オール・アバウト・マイ・マザー』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞、そして「トーク・トゥ・ハー」でアカデミー賞最優秀オリジナル脚本賞を受賞するなど、スペインを代表する映画監督の一人となった。なお外国語映画の脚本でオスカーを受賞したのは、現時点ではこの作品とフランス映画「男と女」(1966年度)のみ。
同じくスペインを代表する女優、カルメン・マウラとはデビュー作よりの付き合いで初期-中期のアルモドバル作品の中で主演を多く演じている。また中期作品では男優としてはハリウッド進出前のアントニオ・バンデラスを重用した。また、同性愛者として有名でもあり、作品も女性の視点から描いたものが多い。また、神学校での性的虐待を描いた『バッド・エデュケーション』は少年時代のアルモドバル自身の体験を基にした半自伝的映画だといわれている。2006年のカンヌ国際映画祭で上映された最新作『ヴォルベール』では脚本賞と主演女優賞を獲得、また久々にカルメン・マウラが出演している。
[編集] 監督作品
- Pepi, Luci, Bom y otras chicas del montón(日本未公開・DVD未発売) (1980)
- セクシリア Laberinto de pasiones (1982)
- バチ当たり修道院の最期 Entre tinieblas (1983)
- グロリアの憂鬱 ?Que he hecho yo para merecer esto?!! (1984)
- マタドール Matador (1986)
- 欲望の法則 La Ley del deseo (1987)
- 神経衰弱ぎりぎりの女たち Mujeres al borde de un ataque de nervios (1988)
- アタメ !Atame! (1990)
- ハイヒール Tacones lejanos (1991)
- キカ Kika (1993)
- 私の秘密の花 La Flor de mi secreto (1995)
- ライブ・フレッシュ Carne tremula (1997)
- オール・アバウト・マイ・マザー Todo sobre mi madre (1999)
- トーク・トゥ・ハー Hable con ella (2002)
- バッド・エデュケーション La Mala educacion (2004)
- ボルベール〈帰郷〉 Volver (2006)
[編集] 外部リンク
- 公式Webサイト(英語・フランス語・スペイン語)