ホンダ・クイントインテグラ
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クイントインテグラ(QUINT INTEGRA)は本田技研工業で生産されていたクイントのフルモデルチェンジ版で、3ドアクーペと4ドアセダン、5ドアのハッチバック型自動車。3ドアは1985年2月19日に、5ドアは同年10月24日に、そして4ドアは1986年10月25日に発売された。また、スタイルは1985年6月に登場する当時のアコードを小型化したようなスタイルだった。前車クイントが商業的に大失敗した為、そのイメージを払拭するべく3ドアモデルのみを先行発売し、当時としては珍しい全車DOHC搭載という、スポーティなイメージを売りにして発売した。
[編集] 概要
デザインは日米共同で進められ、アメリカではレジェンドに次ぐACURAブランド第2弾として発売された。 当初エンジンはクイントインテグラ用に開発されたDOHC 1600ccのZC型のみを搭載。PGM-FI仕様は基本的にシビックとCR-XのSiと同じものであるが、シングルキャブレター仕様はクイントインテグラ専用に搭載されていた。F1参戦の準備を意識したためか、ヘッドカバーは当時のF-1と同じブラウンに塗り上げられていた。シングルキャブレター仕様のMT車ではリットルあたり15km以上という低燃費を実現している。1987年10月のマイナーチェンジによって、ZC型のPGM-FI仕様のヘッドカバーは、黒色塗装となり、エンジン出力も120PS(NET値)から130PSへとパワーアップされた。外観上の変更はフロントバンパーのデザイン変更程度の軽微なものであったが、内装は細部に渡って使い勝手の向上が図られていた。 足回りは基本的にシビックおよびCR-Xと共通であったが、この車のキャラクターに合わせ若干マイルドな味付けが施されていた。
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全体のスタイルの特徴として、当時のホンダの乗用車全般がそうであったようにリトラクタブル・ヘッドライトを採用し、スポーティさを漂わせていた。 3ドア/5ドアはハッチバックでありながら、後端にノッチを付ける事で従来のハッチバック車のデザインとは一線を画す存在であった(おそらくこの車の前身にあたるクイントが実用性一筋のコンセプトで商業的に大失敗したせいもあると思われる)。 モデル中期にはノッチバックの4ドアセダンモデルもラインナップに加わり4ドアセダンのみシビックの1500ccの普及モデルと共通のSOHC12バルブ・シングルキャブレター仕様の1500cc搭載モデルも用意され、発表以来の売りであったDOHC専用車という統一性は崩れてしまう。この4ドアセダンモデルはシビックのフルモデルチェンジとともに廃止されたバラードの実質的な後継車という位置づけであった。
1989年にフルモデルチェンジを行い、「クイント」の名が消え単に「インテグラ」という車名なった。
[編集] CM
CMでは、「DOHCロマン」というキャッチコピーと共に山下達郎の「風の回廊(コリドー)」1985年・「僕の中の少年」1986年・「FIRST LUCK」1987年・「マーマレード・グッドバイ」1988年が使用された。