マニラアサ
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マニラアサ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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マニラアサ(Musa textilis)はバショウ科バショウ属の植物。丈夫な繊維が取れるため、繊維作物として経済的に重要である。
名称の「マニラ」は原産地であるフィリピンの首都マニラに由来する。分類上はアサの仲間ではないが、繊維が取れることから最も一般的な繊維作物である「アサ」の名がついている。他にアバカ、セブ麻、ダバオ麻とも呼ばれる。
[編集] 性質
フィリピン原産で、ボルネオやスマトラにも広く分布する。植物学的には多年草であるが、高さは平均 6 メートルに達するため木のように見える。これは同属のバナナと同様であり、外見もよく似ている。
葉は楕円形で大きく、基部は鞘状で茎を包むようになっており(葉鞘)、ここから繊維が取れる。
[編集] 栽培と利用
マニラアサの繊維は植物繊維としては最も強靭なものの1つである。またマニラアサは水に浮き、太陽光や風雨などに対しても非常に高い耐久性を示す。ロープをはじめ、高級な紙(紙幣や封筒)、織物などに用いられている。 マニラアサは 3-8 ヶ月ごとに収穫される。生長した個体は根を残して切り倒し、葉鞘を引き剥がす。残された根からは新しい植物が生長する。
葉鞘からは肉質などを除去し、繊維だけを取り出す。繊維はセルロース、リグニン、ペクチンなどで構成されており、長さは 1.5-3.5m である。これをよりあわせるとロープができる。