マーガレット・オブ・アンジュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーガレット・オブ・アンジュー(Margaret of Anjou, 1429年3月23日 - 1482年8月25日)はイングランド王ヘンリー6世の王妃。
フランスのロレーヌ公国の生まれ。アンジュー公兼ナポリ・シチリア王ルネ1世の娘。1445年4月23日ヘンリー6世と結婚した。
精神的に不安定であったヘンリー6世に代わってランカスター家を支えた。エドワード4世の即位によってヘンリー6世とともに追放されたが、1470年、キング・メーカーのウォリック伯リチャード・ネヴィルを取り込んでヘンリー6世を復位させた。精神不安定な夫を差し置いて、ランカスター派の旗印となって自ら戦争の指揮をとり、王はヘンリーではなくマーガレットだとすら言われた。捕虜としたヨーク派の騎士や歩兵らへの処罰は凄惨を極め、のちウィリアム・シェイクスピアは、劇作品「ヘンリー6世」で、「あのフランスの雌狼め!」とマーガレットをののしる言葉を織り込んだ。
翌1471年、巻き返したエドワード4世に敗れ、夫と世嗣エドワードを殺された。ロンドン塔などに幽閉された後、1478年フランス王による身代金支払いにより釈放され、1482年8月25日、アンジューで死亡して葬られた。