ミュルミドン人
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ミュルミドーン人(ミュルミドーンじん)は、ギリシア神話に登場する人たち。ミュルミドネスともいう。アキレウスに率いられてトロイア戦争に参加した。
ゼウスはアイギナ(アイギーナ)を父のもとからさらい、当時オイノネ(オイノーネー)と呼ばれていた島に連れて来て、アイアコスを生ませた。これ以降オイノネはアイギナ(アイギーナ)と呼ばれるようになった。ゼウスはアイアコスがアイギナに一人でいるのを哀れみ、蟻(ギリシャ語でμύρμηξ,myrmex)を人間に変えてあげた。彼らがミュルミドーン人である。
アイアコスの子にペレウス(ペーレウス)とテラモン(テラモーン)が生まれた。彼らは成長した後、悪事を働き、ペレウスはプティアへ、テラモンはサラミスへ逃亡した。ペレウスが逃げ出すときにミュルミドーン人をプティア(プティーア)へ連れ出したため、ペレウスの子アキレウスが、トロイア戦争にミュルミドーン人を率いていくことになったと思われる。
[編集] 別説
ミュルミドーン人については別説もある。ミュルミドーン王の娘エウリュメドゥーサが、蟻に姿を変えたゼウスに誘惑されたという説、女神アテナが鋤を発明したとき、ミュルメクスという名のニンフが、発明したのは自分だと高言して罰を受け、蟻の姿に変えられたというものである。ゼウスが戦いのために蟻から生み出したのがミュルミドンという戦士部族だという説もある。