ミラン・クンデラ
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ミラン・クンデラ(Milan Kundera, 1929年4月1日 - )は、チェコ出身の作家。
ブルノ生まれ。プラハの音楽芸術大学(AMU)卒業。1963年発表の短編集『微笑を誘う愛の物語』で本格的な創作活動に入る。共産党体制下の閉塞した生活を描いた長編小説『冗談』でチェコスロヴァキアを代表する作家となり、当時進行していた非スターリン化のなかで言論・表現の自由を求めるなど政治にも積極的にかかわるようになった。そして1968年の「プラハの春」では、改革への支持を表明したことによって、ワルシャワ条約機構軍による軍事介入後、次第に創作活動の場を失い、著作は発禁処分となった。1975年、レンヌ大学の客員教授に招聘されたためフランスに出国。1979年にチェコスロヴァキア国籍を剥奪され、1981年にフランス市民権を取得。このころから、母語のチェコ語ではなくフランス語で執筆活動を行う。1984年発表の『存在の耐えられない軽さ』が世界的なベストセラーになり、フィリップ・カウフマンによって映画化もされた。
父親のルドヴィークは著名なピアニストで、レオシュ・ヤナーチェクに師事し、後にヤナーチェク音楽院院長を務めた経歴をもつ。そのためクンデラ自身も幼少時から音楽教育を受け、小説の文体や構成に音楽的素養が反映されている。
[編集] 邦訳著書
[編集] 小説
- 『冗談』(みすず書房, 1970年)
- 『生は彼方に』(早川書房, 1978年/ハヤカワepi文庫, 2001年)
- 『微笑を誘う愛の物語』(集英社, 1992年/改題『可笑しい愛』集英社文庫, 2003年)
- 『不滅』(集英社, 1992年/集英社文庫, 1999年)
- 『笑いと忘却の書』(集英社, 1992年)
- 『別れのワルツ』(集英社, 1993年)
- 『存在の耐えられない軽さ』(集英社, 1993年/集英社文庫, 1998年)
- 『緩やかさ』(集英社, 1995年)
- 『ジャックとその主人』(みすず書房, 1996年)
- 『ほんとうの私』(集英社, 1997年)
- 『無知』(集英社, 2001年)
[編集] 評論
- 『小説の精神』(法政大学出版局, 1990年)
- 『裏切られた遺言』(集英社, 1994年)
- 『カーテン――7部構成の小説論』(集英社, 2005年)