ミル・マスカラス
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ミル・マスカラス(Mil Máscaras、1942年7月15日 - )は、メキシコの覆面レスラーである。
スカイ・ハイ、仮面貴族などのニックネームを持つ。以前はプロレス雑誌が本名を記載していた時期もあるが、現在では本名がアレン・ロドリゲス(Aaron Rodríguez)であることは公然の秘密である。入場テーマ曲はジグソーの『スカイ・ハイ』。
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[編集] プロフィール
メキシコのルチャリブレを代表するルチャドールの一人、だけでなく世界で最も著名な覆面レスラーの一人である。試合毎にマスクを変えることから"千の顔を持つ男"と呼ばれ、華麗な空中殺法で人気を博した。アメリカンマットでも活躍したことがあり、来日回数は数知れず。得意技はフライングボディアタック、フライングクロスチョップ。
日本のマットで初めて入場曲を使用したレスラーでもある。曲名はジグソーのヒット曲『sky high』(この曲はマスカラスの入場テーマとなった後、多数の番組でBGMとして使用され、タイトルは知らずとも聞いたことのあるという人はプロレスファンならずとも多い)。得意技であるフライングボディアタックは、その入場曲と空高く飛ぶ当時としては珍しい戦法から「スカイハイ!」と叫ばれていた。実弟に同じくプロレスラーのドス・カラスがおり、兄弟での来日も多い。日本マットではアントニオ猪木、ジャンボ鶴田、ザ・デストロイヤーらと名勝負を演じた。なお、意外にもジャイアント馬場とのシングル・マッチは一度も実現していない(馬場自身はマスカラスの事をレスラーとして、あまり好きでは無かったとも言われている。自伝で彼と戦うことは「振袖姿のお嬢さんに喧嘩を売られているようなもの」と語っている。)。リング上ではエゴイストとして知られ、タッグパートナーから嫌われていたのも事実である。
リングに入場する際、マスクの上に別のマスクを更に被り(オーバーマスク)、そのオーバーマスクを投げファンにプレゼントする事で人気を集めた。また、別のマスクを被る時は顔を隠しながらアゴのあたりからスルッと被りなおす特技もあり、絶対に素顔を晒さなかった。覆面レスラーとしてあまりにも有名であるため、パスポートもマスカラスで支給されており(マスクをかぶった写真が貼ってある)、覆面姿のまま来日・入管を通過するという噂も存在する。当時のアントニオ猪木いわく「素顔を見たがかなりの美男子」との事。若手時代の大仁田厚はマスカラスがシャワー中に勝手にマスクをかぶっているところを素顔のマスカラスに見つかり、こっぴどく怒られたことがある。
甥のドス・カラス・ジュニアとエル・シコデリコ・ジュニアは共にプロレスラーとなっている。ドス・カラス・ジュニアの総合格闘技参戦に関しては、「バーリ・トゥード(=総合格闘技)は犬の喧嘩」と否定的であるが、「若い人はいろいろと経験するのも良いこと」だと一定の理解を示している。ちなみにマスカラス自身についても、ローラン・ボックやスタン・ハンセンとのシュートめいた逸話が語られている。
尚、マスカラス自身にも成人の息子が存在していると言われているが、今の所、プロレスラーになると言う話は聞かれていない。
また、これまで20本以上の映画(ルチャシネマ)に出演するなど、メキシコでは英雄として知られている。日本では『愛と宿命のルチャ』がBOX東中野で公開され、TBSの深夜映画枠で『ミル・マスカラスの幻の美女とチャンピオン』が放映されたことがある。
[編集] 得意技
- フライング・クロスチョップ
- プランチャ
[編集] タイトル履歴
- WWA
- WWAヘビー級王座 : 1回
- ALLL
- ALLLヘビー級王座 : 1回
- WCCA
- WCCWタッグ王座 : 1回(&ジェフ・ジャレット)
- HWP
- HWPアメリカ王座 : 1回
- IWA
- IWAヘビー級王座 : 1回
- NWAアメリカヘビー級王座 : 4回
- NWAアメリカタッグ王座 : 3回(&Alfonso Dantes、Rey Mendoza、Jose Lothario)
- NWAテキサスタッグ王座 : 1回(&Jose Lothario)
- その他
- メキシコナショナルライトヘビー級王座 : 2回
[編集] 関連項目
- プロレス
- メキシコシティ
- 鳥人間コンテスト選手権大会(よみうりテレビ制作・日本テレビ系列) - 「スカイ・ハイ」はこの番組のテーマ曲としてもお馴染み。
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