メガスター
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メガスター (MEGASTAR) は、1998年に神奈川県川崎市在住の大平貴之個人によって開発された、2004年現在世界最多の恒星を投影可能なレンズ式移動型プラネタリウムシリーズの名称。メガスターIIの3号機「コスモス」は、世界で最も先進的なプラネタリウムであるとしてギネスにも認定されている。
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[編集] メガスター
メガスターは、アマチュアである大平が開発した4番目のプラネタリウムである。1991年に当時学生であった大平が発表したプラネタリウム3号機、アストロライナーの後継機であり、国際プラネタリウム協会 (IPS) ロンドン大会で「アストロライナー2」として1998年6月に初公開された。投影可能な星は11.5等級までの約170万個であり、メガ(100万)級の投影性能であることに由来して、のちにメガスターと改名された。この性能は従来のプラネタリウムの数百倍程度。32分割光学式でありながら重量は30キログラム程度であり、大幅な小型軽量化も同時に実現している。大平は開発当時会社員であったが、メガスターの開発は全くの個人活動として行っている。
最大の特徴は天の川の完全再現にある。天の川が多数の星の集まりであることはよく知られているが、従来の投影機は天の川の部分に補助的に雲のようなぼんやりした光を当てることで天の川を表現していた。これに対しメガスターでは本来肉眼では確認できない暗い星まで投影するため極めて自然な天の川が再現できる。また、双眼鏡を通して投影を拡大すれば、明るい散開星団が再現されていることがわかる。
科学館などで見かける従来の大型投影機は数千個の星を、最新鋭の物ですら数万個の星しか表現出来ないことを考えると、このメガスターの星の数と大きさは桁外れであり、しかもこれをあくまで一個人の趣味として開発製作したことは驚異的である。
[編集] メガスター2
メガスター2 (MEGASTAR-II) は、メガスターの後継機として2003年6月13日に公開された、大平の5番目のプラネタリウム。同型1号機フェニックスの投影星数は410万個、12.5等級までの星を投影可能である。メガスター2の公開に合わせ大平は電機メーカーを退社し、メガスターの公演活動を展開している。
2004年には1号機フェニックスが川崎市青少年科学館で常設展示された。また投影星数を500万個に拡充した3号機コスモスは日本科学未来館で2004年7月11日から常設展示が開始されている。展示開始時点で、コスモスは世界最多の恒星投影数を誇る。2号機ミネルバ、及び4号機タイタンは移動公演用に利用されている。なお4号機タイタンは愛知県で開催された愛・地球博のささしまサテライト会場にある「手塚治虫のCOSMO ZONE THEATER」でプラネタリウム投影機として使用されている。
[編集] ホームスター
ホームスターは、大平とセガトイズが共同開発し2005年7月21日に発売された家庭用プラネタリウム。約1万個以上の星の投影が可能である。値段も、二万円程度と安く、店によっては、一万五千円程度で買える。
[編集] 参考文献
- 大平貴之『「プラネタリウムを作りました。」7畳間で生まれた410万の星』2003年、エクスナレッジ ISBN 4767802512