モーダルシフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モーダルシフト(Modal shift)とは、貨物の輸送手段の転換を図ること。具体的には、トラックや航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替することが考えられている。
日本では、運輸省(現国土交通省)が1991年4月から推進しているほか、海外でも同様の取り組みを行っている国がある。
モーダルシフトによって、以下のことが期待できる。
問題は、コスト面と時間的な制約である。コスト面では、鉄道では駅で、船舶では港での荷の積み替えが必要となり、そのため鉄道・船舶の運賃が安くとも全体のコストがトラック輸送のそれを上回ってしまうことがある。また、積み替えのために時間がかかるので、生鮮食品など早く届けることを求められている物流では、環境のために良いとわかっていても転換が進められずにいる。そのため、トラックそのものを貨車に積んでしまう方法(ピギーバック輸送。但、日本国内では1996年で廃止)や、積み替えの手間がかからないように、コンテナを使うということを行なっている。
日本貨物鉄道(JR貨物)では、スピードアップのため2004年3月13日から大阪・東京間にM250系貨物電車による深夜の貨物専用特急列車を運行したり、積み替え時間短縮のため貨物駅をE&S方式へ改良して、少しでもモーダルシフトのしやすいダイヤ編成にしようとしている。しかし近年貨物輸送量は減少を続けているうえ、貨物扱いをする駅の大幅な減少など、鉄道貨物輸送を取り巻く環境は非常に厳しい。また同社による、商業施設や大型駐車場の開発など、操車場跡地を利用した開発そのものが自動車需要を高めているとの声もある。