ユダ・マカバイ
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ユダ・マカバイ(Judas Maccabaeus, Yhudah Maqqabhi ?- 紀元前160年)は旧約聖書外典である『マカバイ記』に登場する紀元前2世紀のユダヤの民族的英雄。シリアの支配下にあったユダヤの独立を達成することになるマカバイ戦争を指導し、ハスモン朝が開かれる基礎を築いた。ギリシア語表記でユダス・マカバイオス、ラテン語表記でユダ・マカベウスとも表記される。
[編集] 生涯
ディアドコイの一人セレウコス1世の建てたセレウコス朝の王アンティオコス4世エピファネスはエルサレムを占領するとエルサレム神殿を略奪し、ユダヤ教を迫害した。このため、モデインという町に住んでいた祭司マタティアと五人の息子たちが蜂起した。その息子の一人がマカバイと呼ばれたユダであった。これ以降の独立闘争をマカバイ戦争(マカバイの反乱)と呼ぶ。
ユダ・マカバイは父が死ぬと、反乱軍のリーダーとなって弟ヨナタンやシモンと共にシリア軍と戦い、シリアの将軍たちを打ち破った。ついには紀元前165年にエルサレムを奪還し、異邦人に汚されたエルサレム神殿の聖所を清め、中絶していた神殿でのユダヤ教の崇拝儀式を復活させた。ハヌカーはこれを記念するために制定された。またヘンデルのオラトリオ『マカベウスのユダ』はこの故事に取材したものである。
ユダ・マカバイはシリア軍や周辺民族との戦いにあけくれ、セレウコス朝シリアと敵対関係にあったローマと同盟関係を結ぶが、シリアの将軍バキデスとの戦いの中で戦死。弟のヨナタンが彼の後をついでユダヤ軍を指導した。