ユーロカレンシー
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ユーロカレンシー(Euro Currency)とは、発行国の外(オフショア市場)で取引される通貨のこと。
そのほとんどは、ドルでユーロダラーと呼ばれる。
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[編集] 概要
ユーロと付くところから、欧州における取引を連想させるが、現在は必ずしも欧州とは限らない。
これは、当初西ヨーロッパ諸国で運用されていた外国通貨を、このように呼んだ名残である。
[編集] ユーロダラー
ユーロダラーはユーロカレンシーの代表である。世界には、自国で通貨を発行せずドルを流通させている国や、ドルも共用とされている国がある。
また、ロンドンや東京の国際金融市場には、アメリカを離れて運用されているドルが存在する。
1971年のニクソンショックまでにおいてはドルは金とリンクしており、発行には限界が存在した。しかし、国内の完全雇用と財政政策を支えるための、金融政策緩和を望んだ当時の政権により、ドルは発行の制約から解き放たれ膨張することになった。
こうしてユーロダラーが生まれたが、ドルは、本来アメリカ国内の貨幣であり、米国内の貨幣需要を十分満たすドルが米国内に存在する。ユーロダラーはそれと別に存在し、世界金融市場を移動し続けているため、特定の国に著しい過剰流動性をもたらし、金融市場の混乱を招く元になっている。
[編集] ユーロ円
ユーロ円(ゆーろえん)とは日本国内以外の市場において取引される円通貨を指す言葉である。
これらの市場で取引される円建ての債券をユーロ円ボンド、円の金利をユーロ円金利等と呼んだりする。
一般に通貨の発行国外でのその通貨の取引市場をユーロ市場と呼び、これらの市場で取引される円、ドルをユーロ円、ユーロドル等と呼ぶ。なお、ユーロという言葉が使われているが、通貨のユーロと直接関係があるわけではなく、この名前はユーロ市場がヨーロッパで始まったためについたものである。