リュウミン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リュウミンは、モリサワが開発・販売する、電算写植およびDTP用の明朝体 フォント。
もともとは金属活字時代の、森川龍文堂活版印刷所の明朝体がベースで、復刻および再デザインをおこなっているとされる。リュウミンとはリュウブンドウ・ミンチョウを意味する。彫刻刀の冴え(活字母型の作成時の、職人の手さばきの影響を受ける)を生かした字形となっている。直線部分を柔らかく、曲線部分に鋭さを持たせることで漢字と仮名部分の統一感を作っていると言われる。
モリサワにとっては、最大のライバル写研が石井明朝体を含む全書体公開しない中、アドビシステムズと提携し、リュウミンを含む全書体をPostScriptフォントとして開放したことから、DTP業界での地歩を固めた。プリンタへのバンドルや、書体の品質、それまでの(写植での)実績などから伸張し、DTP業界において明朝体として第1位のシェアを占めるまでに至った。
2006年9月現在、Macintosh用PostScriptフォント、Mac・Windows両用のOpenTypeフォント形式で市販されている。以下のウェイト(文字の太さ)によって書体ファミリーを構成する。
- L (Light)
- R (Regular)
- M (Medium)
- B (Bold)
- EB (Extra Bold)
- H (Heavy)
- EH (Extra Heavy)
- U (Ultra)
なお、『ヴィネット』などで知られる朗文堂の研究によれば、リュウブンドウと読むのは誤りであってリョウブンドウが正しく、そのためリュウミンは本来リョウミンとなる筈であるという(外部リンク参照)。
また、NTTDoCoMoのFOMAの端末の内、F902i以降の富士通製端末(ただし90Xシリーズのみ)では、明朝体フォントとしてリュウミンが採用されている。(デフォルトは新ゴがベースとなったゴシック体)