ルチン
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ルチン | |
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別名 | ルトサイド ケルセチン-3-ルチノシド |
分子式 | C27H30O16 |
分子量 | 610.52 g/mol |
CAS登録番号 | [153-18-4] |
形状 | 淡黄色固体 |
融点 | 214–215 °C (分解点) |
ルチン(Rutin、ルトサイド、ケルセチン-3-ルチノシドとも)は、薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダ Ruta graveolens から発見された柑橘フラボノイドの一種。しかし、ミカン科の植物に限らずマメ科のエンジュやタデ科のソバなどからも見出されている。
分子式は C27H30O16 で、ケエルセチンの3位の酸素にβ-ルチノース(6-O-α-L-ラムノシル-D-β-グルコース)が結合した配糖体である。 水から再結晶したものは通常3水和物で淡黄色の針状結晶。214&ndash215 ℃ で分解する。CAS登録番号は [153-18-4]。
1930年代に発見され、ビタミンとしての働きがあることから単体でビタミンPと呼ばれていた。後にビタミンPを構成するクエルセチンやヘスペリジンなどいくつかの物質が発見され、ルチンが単体でビタミンPと呼ばれることはなくなった。
人体に対しては、血管収縮作用、毛細血管の透過抑制作用、毛細血管壁を強くする効果があり、脳出血などの予防に効果があるのではないかといわれている。また抗酸化能があるので、活性酸素を除去し血液を浄化する作用を持つといわれている。またヒスタミンの遊離を抑える抗アレルギー作用があると言われている。ただし、ソバから抽出されたルチンはソバアレルギーの原因となるので注意が必要である。