ルパン8世
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『ルパン8世』(ルパンはっせい)は、モンキー・パンチの漫画『ルパン三世』から派生したアニメおよび漫画作品である。
[編集] 概要
本作は1982年頃に、ルパン三世の子孫であるルパン8世が活躍する子供向け作品として企画・製作された作品で、元々、日本国外での放送を目的に製作されている(イタリア及びフランスでの放送を考えていたらしい)。時代背景は22世紀、宇宙旅行が当たり前になっている時代という設定で、宇宙でのストーリーが主になっている。作品としては第4話まで製作されていて(企画自体は8話まで存在する)、その内の1話はアニメージュにて誌上公開されている。
上記の通り4話まで製作されたが、テレビ局との交渉がまとまらずお蔵入りとなり、製作された4話も当初予定していた海外はおろか、日本国内でも誌上公開された以外は現在まで公開されず、幻の作品となっている。
また、本作の漫画版が1982年にモンキー・パンチ作、おりはるこん(斉藤栄一と滝川健市の共同ペンネーム)画として双葉社の『月刊100てんコミック』に連載された。
[編集] 登場人物
- ルパン8世
- モーリス・ルブランの連作小説『怪盗ルパン』の主人公「アルセーヌ・ルパン」の子孫であり、同じく怪盗である孫のルパン三世から5代後の子孫。父親であるルパン7世までは大泥棒であったが、幼少時代にホームズ8世に捕まり更生。私立探偵となる。しかし、それは表向きの姿であり、裏では先祖同様の泥棒家業として暗躍している(ある意味義賊である)。曾曾祖父の三世同様、美女には甘く、峰不二子の子孫にもいいように利用されたりしている。
- 次元大介
- かつて三世の相棒であった次元大介の子孫で、同じように8世の相棒をしている。風貌は先祖と同じで、拳銃の名手でもある。ただし、先祖がヘビースモーカーであったのに対し、喫煙はせず、常にキャンディーを口にくわえている(これは、国によっては喫煙シーンがNGとなる為の配慮から)。
- 峰不二子
- 時にはルパン三世の敵であり、味方であり、時には恋人であった峰不二子の子孫。有名なファッションモデルだが、実は大泥棒。狙ったお宝を盗む為に8世を利用している。設定上は日本人という事にはなっているが、金髪で風貌も西洋人にしか見えない。先祖同様、8世とは敵であり、味方であり、時には恋人でもある。なお、モンキーパンチ自らが1974年に『少年アクション』で連載していた『ルパン小僧』ではルパン三世と峰不二子の間に生まれた息子であるルパン小僧が存在しており、これをルパン四世とするならば設定上矛盾した存在になると思われるが、事実上の「パラレルワールド」としてとらえるべきであろう(作者自体は作品としての『ルパン小僧』の存在に関しては苦い顔をしているものの、『トリビアの泉』等での発言している通り、設定としては公認している節がある)。
- 石川五右ェ門
- 居合の達人。安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門から数えて第十八代目の末裔に当たり、先祖でもある十三代石川五ェ門同様、8世の相棒となっている。普段着は和服で、風貌も先祖同様に長い髪に長いもみあげを生やしているが、切れ長の目をした美青年でもある。無口で生真面目な性格で、常に瞑想に耽っている。先祖と同じく仕込刀を所持しているが、生身の真剣ではなく、レーザーブレードになっている。宇宙が舞台の際は、戦国時代の鎧兜をモチーフにした宇宙服を着用している。
- 銭形警部
- ルパン三世のライバルであった銭形警部の子孫。国際警察の刑事で、先祖同様、帽子とトレンチコートが定番である。部下であるロボット警官達を引き連れ行動している。探偵であるルパン8世が、実は探偵ではなく、先祖と同じく泥棒をしているのではないかと疑っていて、その行動に目を光らせている。
- ホームズ8世
- シャーロック・ホームズの子孫でルパン8世の探偵の師匠。老いたため既に引退しているが、情報屋としてルパンを支援する。
[編集] その他
- 2007年1月27日放送のフジテレビ系「トリビアの泉 今夜復活踊る大へぇへぇ祭り!!」の中で本作品についてトリビアとして紹介された。岩城滉一はこのトリビアについて知っていたのか(そもそもルパンマニアの間ではかなり有名なネタではあるが・・・)番組中でたった5へぇしか与えていなかった。
- しかし、おなじく「トリビアの泉」の品評者だった香椎由宇は、「ルパン三世のファン」を名乗っているにもかかわらず、15へぇを与えていた。
- 尚、この放送では、マイアニメ誌による設定書は紹介されたが、上記のアニメ-ジュにて掲載された誌上公開についての話題は触れられていない。
- トリビアの泉での説明によると、現在は版権の問題で公開する事が困難な作品となっていて、製作された4話も、現時点では公開する可能性は無いとの事である。