ロシア国内軍
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ロシア国内軍(―こくないぐん、Внутренние войска;略称ВВ)とは、ロシア内務省に所属するロシア連邦国内での使用を目的とした軍事組織。公共秩序の維持、重要施設の警備等を任務とする。
国内軍成員の身分は、軍人である。フランス国家憲兵隊や、イタリアのカラビニエリとは異なり、犯罪捜査等には従事せず、純粋な軍事作戦を任務とした組織である。
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[編集] 歴史
国内軍の公式な創設日は、ロシア皇帝アレクサンドル1世の命令により、各県に国内警備大隊が編成された1811年3月27日とされている。
1918年のロシア革命後、労農国防会議は、複数の省庁に存在した全支援部隊を統合し、共和国国内警備軍を創設する決定を採択した。その後、武装警備軍、内務軍、全ロシア反革命・サボタージュ取締非常委員会軍、統合国家保安局軍、内務人民委員部(NKVD)軍と再三名称が変更された。
第二次世界大戦中、NKVD軍は、53個師団、20個旅団に達した。戦後、国内軍には、科学研究施設、原子力産業及びミサイル製造企業の警備が追加された。
平時、国内軍兵士は、災害派遣任務にも従事しており、1957年のコンビナート「マヤーク」事故、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故にも参加した。ソ連末期には、ナゴルノ・カラバフ、フェルガナ、北オセチア、イングーシ共和国等の地において、対立両者の武装衝突の阻止、武装解除、難民の保護に従事した。
1994~1996年の第1次チェチェン戦争、1999年からの第2次チェチェン戦争では、ロシア連邦軍と共にチェチェン独立派の鎮圧に従事している。
[編集] 機構
[編集] 指導部
- 国内軍総司令官
- 第一副総司令官
- 参謀総長/第一副総司令官
- 副総司令官
- 戦闘訓練局長/副総司令官
- 航空局長/副総司令官
- 副総司令官
- 兵器部長/副総司令官
- 後方部長/副総司令官
- 軍事科学業務担当副総司令官
- 主任監察官/総司令部調整官
[編集] 軍事行政単位
7個国内軍管区に分かれる。
[編集] 特殊司令部
- サロフ産業師団(軍部隊3274):サロフ
- セヴェルスク産業師団:セヴェルスク
- オゼルスク産業師団(軍部隊3273):オゼルスク
- エカテリンブルグ産業師団:エカテリンブルグ
- モスクワ産業師団(軍部隊3272):モスクワ
- ノヴォシビリスク産業師団:ノヴォシビルスク
- アンガルスク産業連隊:アンガルスク
[編集] 特殊部隊
国内軍には、いくつかの特殊部隊が存在し、一定の諜報活動を行う権限も与えられている。特殊部隊員は、赤色(茜色)のベレー帽を着用する。
- 独立作戦任務師団「オドン」(ОДОН)
- 特殊任務支隊「ヴィーチャシ」(Витязь)
- 特殊任務支隊「ルーシ」(Русь)
- 特殊任務支隊「ロシチ」(РОСИЧ)
- 特殊任務支隊「スキーフ」(СКИФ)
[編集] 歴代総司令官
国内軍総司令官は、内務次官を兼任する。
職名 | 氏名 | 階級 | 在任期間 | 出身校 | 前職 |
---|---|---|---|---|---|
総司令官 | ヴャチェスラフ・オフチンニコフ | 大将 | ?-2000.1 | ||
総司令官 | ヴャチェスラフ・チホミロフ | 大将 | 2000.1-? | ||
総司令官 | ニコライ・ロゴシュキン | 大将 | ?- | ハリコフ高等戦車指揮学校 | 国内軍参謀総長 |
[編集] 外部リンク
- ロシア連邦内務省国内軍公式サイト(ロシア語)