ロータス・エスプリ
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ロータス・エスプリ (Lotus Esprit) は英国のロータスが生産していたスポーツカーである。ロータス・ヨーロッパの後継車として1975年に登場した。ジュジャーロ(ジウジアーロ)のデザイン。ロータス社のライトウェイトスポーツカー路線から、スーパーカー路線へ変更したモデルでもある。1976年の初代モデル"S1"(S2が発表された為、初代は後から"S1"と呼称されるようになった)から、2004年の最終モデル"V8アニバーサリー"生産終了まで、28年間に渉り1万台以上が生産された。
ロータス・エスプリの原型は、ジュジャーロ率いるイタルデザインが1972年に発表したコンセプトモデルである。1975年の10月にはプロトタイプがパリ・サロンに登場、翌1976年に、初代モデル"S1"が発売された。スチール製のバックボーン・フレームにFRPボディを架装し、エンジンは2リッター水冷直列4気筒DOHCをミッドに搭載した。1978年にはマイナーチェンジを受けた"S2"が登場。主な変更点はカムの設計変更、リアサスのファインチューン、室内への騒音の遮断性アップ、リアクォーターのエアインテークの追加等である。
1980年、ターボモデル『ターボエスプリ』が当時のF1『チームロータス』のメインスポンサー『ESSEX』のカラーリングを纏い、100台限定モデル(量産モデルとは、リアバンパーに『LOTUS』のレタリングがない、リアクォーターにエアインテークがない等細部で異なる)として登場し、後にカタログモデルとなる。ターボユニット搭載に加え、2.2リッターにボア・アップされ、大幅にパワーアップした。同時期にV8エンジン搭載モデルも開発されていたが、重量がかさんでしまうことから市販化は見送られた。また、翌1981年にはターボエスプリをベースにしたNA版"S3"を発表する。
1987年、ターボの圧縮を高め、"HC"(ハイコンプレッションの略)として売り出し、同年通称『ニューシェイプ』と呼ばれる新デザインのエスプリへ世代交代。従来のジュジャーロデザインに比べ、やや丸みを帯びたボディは、ロータス社のピーター・スティーブンスによるものであり、空力性能の大幅な向上が実現した。トランスミッションは、従来のシトロエンSM用5段M/Tから、ルノー・アルピーヌGTA用5段M/Tに刷新された。エンジンには、大幅な変更は加えられていないが、ターボモデルでは水冷式のインタークーラー(チャージ・クーラーと呼ばれる)が搭載された。なお、"ニューシェイプ"以降最終型以前まで、テールランプはトヨタのAE86レビン(前期型。同兄弟車『トレノ』のものとは異なる)のものを流用した。(最終型では丸型テールランプへ意匠変更)
1993年、従来の直列4気筒2.2リッターをベースとしながら、過給によって300psを叩き出すホモロゲーションモデル"スポーツ300"が登場。4気筒モデルは、ここに頂点を迎える。
1996年、4気筒とは別系統として、3.5リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載した"V8"が登場。最高出力350psを発揮した。
その後、4気筒モデルは"S4"→"GT3"と、8気筒モデルは"GT350"→"アニバーサリー"と進化を遂げながら併売され、前述の通り2004年に生産終了となった。
映画007シリーズに登場し、ボンドカーとして活躍した。『007 私を愛したスパイ』に登場したエスプリは潜水艦に変型するなど、秘密兵器を搭載していた。『007 ユア・アイズ・オンリー』には白のターボ(冒頭で自爆)、スキーキャリアを備えたアンバーメタリックのターボが登場した。また映画では『プリティ・ウーマン』『氷の微笑』等、スクリーンにも度々登場した。
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