ローリー (ノースカロライナ州)
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ローリー(英語:Raleigh)はアメリカ合衆国ノースカロライナ州東部に位置する商工業都市で、州都である。また、ウェイク郡 (Wake County) の郡庁所在地である。ローリーはオークの木々が多いため "The City of Oaks" として知られている。2000年現在の国勢調査で、ここはシャーロットに続き、ノースカロライナ州内で2番目に最大な人口都市である、人口276,093人である。2004年現在、アメリカ合衆国統計局は全米で最も早い成長の都市の1つとして、ローリーの人口が326,653人に増加したと見込んでいる。ダーラム市、チャペルヒルを結ぶリサーチ・トライアングル・パークと呼ばれる研究機関が発達、全米有数の学術研究都市として知られる。一帯の都市圏人口は120万人と数年前に比べ倍増しており、人口増加と都市発展が著しい。ラーレイ、ラーリーなどと発音、表記されることがある。
ローリー市は2005年7月1日の人口が342,194人であると見積もっている。
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[編集] 歴史
ローリーは新しい郡庁所在地及び州都の両方として1792年に設立された。名前はウォルター・ローリー卿 (Sir Walter Raleigh) にちなむ。
[編集] 地理
アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積299.3 km² (115.6 mi²) である。このうち296.8 km² (114.6 mi²) が陸地で2.5 km² (1.0 mi²) が水地域である。総面積の0.84%が水地域となっている。
[編集] 人口動勢
2000年現在の国勢調査2で、この都市は人口276,093人、112,608世帯、61,371家族が暮らしている。人口密度は930.2/km² (2,409.2/mi²) である。406.7/km² (1,053.2/mi²) の平均的な密度に120,699軒の住宅が建っている。この都市の人種的な構成は白人63.31%、アフリカン・アメリカン27.80%、先住民0.36%、アジア3.38%、太平洋諸島系0.04%、その他の人種3.24%、混血1.88%である。人口の6.99%はヒスパニックまたはラテン系である。
この都市内の住民は20.9%が18歳未満の未成年、18歳以上24歳以下が15.9%、25歳以上44歳以下が36.6%、45歳以上64歳以下が18.4%、65歳以上が8.3%にわたっている。中央値年齢は31歳である。女性100人ごとに対して男性は98.0人である。18歳以上の女性100人ごとに対して男性は96.6人である。
この都市内の世帯ごとの平均収入は46,612米ドルであり、家族ごとの平均収入は60,003米ドルである。男性は39,248米ドルに対して女性は30,656米ドルの平均収入がある。この都市の一人当たりの収入 (per capita income) は25,113米ドルである。人口の11.5%及び家族の7.1%は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の13.8%及び65歳以上の9.3%は貧困線以下の生活を送っている。
[編集] リサーチ・トライアングル・パーク
このローリー市が注目を浴びるようになったのは、世界最大規模の学術研究機関、リサーチ・トライアングル・パーク(RTP)の成功にある。古くは州の特産品であった、綿花、タバコの集散地として発展し、後に綿花を生かした紡績業が発展したが、戦後に紡績業の衰退により没落、人口は急速に減少し、衰退していった。そこで打ち立てられた振興策がリサーチトライアングルパーク構想である。一般に研究機関のことをリサーチ・パークと呼び、トライアングルとは三角形のことで、ローリー市、ダーラム市、そして学術都市チャペルヒルを結ぶ三角形に囲まれたゾーンを指す。
これは大学が主体となって企業の研究機関を誘致し、そこに人材を登用して高度な技術力を蓄積、そしてベンチャー企業を興し、地域の活性化を目指すものであった。時の州知事であったホッジス氏の元で始められた壮大な計画は1954年から始められ、ローリー市の州立大学、ダーラム市のデューク大学、そしてチャペルヒルのノースカロライナ大学の三大学が核となった。当初は紆余曲折の繰り返しだったが1965年にIBMが進出を表明、成果を上げると以後は相次いで一流企業が次々に研究機関を構えるようになる。同時に一流企業に送り出す優秀な人材を育成するため、三大学は学力を競い合い、地位も向上する相乗効果が起こった。
この計画は大成功し、これにより州の産業構造は一変、全米で最も多く博士号を持つ研究者を輩出する学術研究機関にまで成長し、ここから生まれた優秀なベンチャー企業も少なくない。また温暖で、自然との調和を目指していた都市開発を行っているため、周囲は森に囲まれた地域も多く、環境に優れ、メガロポリスなどからの国内流入者や海外からの移住者も多く呼び込んでいる。日本企業の研究機関も多く進出しており、東のシリコンバレーとも呼ばれることがある。
今日ではノースカロライナ州はアリゾナ州、ネバダ州などと並び人口増加が顕著な州であるが、その背景には好調な経済があり、その原動力にもなっている。
[編集] スポーツ
NHL カロライナ・ハリケーンズ (Carolina Hurricanes) はRBCセンターが完成すると同時に1999年にローリーに移動した。このチームはハートフォード・ホウェラーズ (Hartford Whalers) として知られていたコネチカット州ハートフォードの本拠地から暫定的にノースカロライナ州グリーンズボローに移動し2年間活動していた。しかしながら、もっとも盛んなのは3大学によるカレッジスポーツである。
[編集] 交通機関
- 空港:ローリー・ダーラム国際空港 (Raleigh-Durham International Airport, RDU) はローリーの北西に位置し、ローリー・ダーラム間の I-40 沿いにある。
- 州間高速道路:I-40、I-440 ベルトライン、I-540
- 旅客鉄道:
- ローカルバス:Triangle Transit Authority(TTA)により運営されている。
[編集] 外部リンク
- 公式
- 地図
- 交通
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