世襲
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世襲(せしゅう)とは、親の手にしている特定の地位や肩書き、職業等を、その子や係累が引き継ぎ、それによって社会的な権力や権限を得ること。
古くはローマ帝国の皇帝の地位やその他の多くの国々で国王や皇帝、貴族や騎士の地位は、こうした血縁関係を軸とした排他的な継承によって、独占的に占有されてきた。それにより、社会の中で支配する階層と支配される階層の分化が生じてきた。
今日でも自営業者や歌舞伎、能、狂言などの伝統芸能の世界では世襲が一般的にみられる。親と同じ職種につくことは、人脈や職務上必要とされる知識といった無形の財産をひきつぐ上で有利であるため、政治家、外交官、医師、実業家など、社会的に突出した職業や地位の多くに、世襲が多くなる傾向がある。地方では特定郵便局長のような一部の公務員にも世襲が存在する。外交官の場合、裕福な暮らしが出来る事から、子も親のような待遇を目指し外務省入りを狙う傾向があるという評論がある(小和田恆・雅子親子の例は有名)。また薬局経営者・開業医の子が親の後を継ぐ為に医・歯・薬学部を目指すのもよく見られる例である。
家に伝わる爵位を継承する場合、襲爵、位階・地位などを世襲することを襲位、先祖伝来の名跡などを世襲することを襲名という。