主寝坂峠
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主寝坂峠(しゅねざかとうげ)とは、山形県最上郡金山町と真室川町の間にある峠である。標高313m。
[編集] 峠の概要
現在は国道13号が走っており、古来より羽州街道の一部として参勤交代の道としても使われていた。主寝坂の由来は、峠の金山町側に存在する主寝坂集落に由来しており、江戸時代に、矢島藩(旧矢島町、現由利本荘市)の姫君とその従者が恋仲になり、雷雨に見舞われて辿り着いたこの地で関係を持ったという、この地に伝わる伝説による。(ただし、旧矢島町では、古文書からもそのような事実はないとしており、由来としては尊重しつつも、この説の巷間への流布については「矢島の評判を著しく落とす行為」と激怒していると言う)
峠の真室川町側を流れている塩根川の転訛に由来するという説もある。
[編集] 国道13号主寝坂峠
長らく国道13号最大の難所であり、狭い幅員、急カーブ、急勾配が連続し、連続雨量150mm以上通行止区間である。特に、1959年(昭和34年)に開通した旧主寝坂トンネルは、高さ3.6m規制、大型車同士がすれ違い出来ないほどの狭少幅員であり、物流トラックの動脈としては致命的なボトルネック区間であった。(その為、トンネル入口にトンネル内走行中の車種を知らせる電光掲示板がある)
さらに、ひとたびこの区間が不通になると、迂回路となる山形県道35号真室川鮭川線が大型車両通行禁止であるため、大型車は新庄市から国道47号-国道108号(鬼首道路)を経由せねばならず、新庄市-湯沢市雄勝間で、実に80kmもの遠回りを強いられていた。
そこで、将来的に東北中央自動車道の一部になる主寝坂道路が作られることになり、2005年に全長2,944mの新主寝坂トンネルを含む5km区間が無料供用にて開通し、これにより大型トラックは主寝坂峠越えの隘路を通らずに済むようになり、ルートが複数化したことにより、どちらか一方が全面通行止になった場合でも鬼首回りの迂回をせずに済むようになった。
現在は主寝坂道路の全通に向けて、さらなる道路延長工事が行われている。