亀山郁夫
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亀山 郁夫(かめやま いくお、男性、1949年 - )は、東京外国語大学外国語学部教授及び附属図書館長を兼務。専門は、ロシア文化、ロシア文学。
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[編集] 人物・来歴
栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業後、同大学大学院外国語学研究科修士課程および東京大学大学院人文科学研究科博士課程で学ぶ。
1991年から2000年代初頭にかけて、NHKでテレビ『ロシア語会話』・ラジオ『ロシア語講座』の講師を務めた。講師引退後も専門を生かし、ハイビジョンスペシャル、『視点・論点』などに出演し、ソヴィエト時代の芸術や文化、ドストエフスキーについて論評を行っている。
2005年8月、ブログcafe MAYAKOVSKYを開設。ロシアと世界の文化シーンに関して、氏なりの視点で述べている。また、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の翻訳をめぐる興味深いエピソードが断続的に紹介されている。
2005年9月から、東京外国語大学附属図書館長。
2005年12月、公式HPIkuo kameyama's studioが完成。うちアーカイブでは単行本未収録の著作が読めるようになっている。
2007年2月15日に次期東京外国語大学学長に選出された。(任期:平成19年9月1日~23年3月31日)
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『甦えるフレーブニコフ』(晶文社, 1989年)
- 『終末と革命のロシア・ルネサンス』(岩波書店, 1993年)
- 『ロシア・アヴァンギャルド』(岩波書店[岩波新書], 1996年)
- 『破滅のマヤコフスキー』(筑摩書房, 1998年)
- 『あまりにロシア的な。』(青土社,1999年)
- 『まるごと覚えようNHKスタンダード40ロシア語』(日本放送出版協会、2000年)
- 語学教育書(1998年度前半のテレビ講座の内容を再編集したもの)。
- 『磔のロシア――スターリンと芸術家たち』(岩波書店, 2002年)
- 『熱狂とユーフォリア――スターリン学のための序章』(平凡社, 2003年)
- 『ドストエフスキー――父殺しの文学(上・下)』(日本放送出版協会[NHKブックス], 2004年)
- 『『悪霊』――神になりたかった男』(みすず書房, 2005年)
- 『大審問官スターリン』(小学館, 2006年)
[編集] 共編著
- (江川卓)『ドストエフスキーの現在』(JCA出版, 1985年)
- (大石雅彦)『ポエジア――言葉の復活』(国書刊行会, 1995年)
- (小岸昭ほか)『ファシズムの想像力』(人文書院,1997年)
- (望月哲男ほか)『現代ロシア文化』(国書刊行会,2000年)
- (和田忠彦ほか)『モダニズムの越境』(人文書院,2002年)
- (岩波新書編集部)『翻訳者の仕事』(岩波書店,2006年)
[編集] 訳書
- アレクサンドル・ドーリン『約束の地の奴隷――終焉のソビエトから』(中央公論社, 1991年)
- サイモン・カーリンスキー『知られざるマリーナ・ツヴェターエワ』(晶文社, 1992年)
- コンスタンチン・ケドロフ『星の書物――東方的・詩的宇宙のヴィジョン』(岩波書店, 1994年)
- アンドレイ・プラトーノフ『土台穴』(国書刊行会, 1997年)
- ユーリイ・ボーレフ『スターリンという神話』(岩波書店, 1997年)
- ソフィヤ・ヘーントワ『驚くべきショスタコーヴィチ』(筑摩書房, 1997年)
- スヴェトラーナ・セミョーノヴァ『フョードロフ伝』(水声社, 1998年)
- ウラジーミル・ソローキン『愛』(国書刊行会, 1999年)
- ボリス・グロイス『全体芸術様式スターリン』(現代思潮新社, 2000年)
- ジョン・アードイン『ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟』(音楽の友社、2006年)
- ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟(1-3)』(光文社[光文社文庫]、2006年-2007年)
[編集] 受賞
- 『破滅のマヤコフスキー』で第7回木村彰一賞
- 『磔のロシア』で第29回大佛次郎賞