京都大学アメフト部レイプ事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京都大学アメフト部レイプ事件(きょうとだいがくあめふとぶれいぷじけん)とは2005年の12月に京都大学のアメリカンフットボール部京都大学ギャングスターズの部員3名が酒に酔った女性2人を集団強姦した事件である。
加害学生3名は集団準強姦罪で逮捕起訴され、一人は懲役5年6ヶ月の実刑、ふたりは懲役5年執行猶予付きの有罪の判決を受けた。京都大学は加害学生を退学処分とし、ギャングスターズはその年の春の競技会の出場を辞退した。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 発端
2005年12月23日に京都市左京区のマンションの一室で、被告甲乙丙の3名と被害者の女子学生ABの2名が「鍋パーティ」と称して会食。被告らは焼酎などを一気のみさせる「焼酎ルーレット」で酩酊状態となった被害者Aの1名を「みんなでやったらええやん」と、乙丙がわいせつな行為をし、甲が暴行をした疑い。さらに甲はBに対しても暴行をし、負傷させた疑い。
3人は逮捕容疑について「合意の上」と否認した。いわゆるデートレイプであった。また、彼らは以前にも女子学生と「鍋パーティー」を開催し同様の行為を繰り返していた。彼らは焼酎やウォッカを用いており、被害者は二人とも急性アルコール中毒に近い状態だったとみられる。
被害者の女性2名の告発を受けて京都府警は京都大学の学生甲(24歳当時)乙(23歳当時)丙(22歳当時)をAに対する集団準強姦の疑いで逮捕起訴した。また甲をさらにBに対する集団準強姦および準強姦致傷で逮捕起訴した。これを受けて京都大学は甲乙丙の3名を退学処分(正確に言えば放学処分で、復学も認められない。)にした。また京都大学ギャングスターズは翌年春の大会の出場を辞退した。
[編集] 公判
公判では「みんなでやったらええやん」の発言をめぐり、犯行に計画性があったか否かで検察と弁護側が対立した。
[編集] 求刑
2006年8月28日の公判では検察側は「重い刑を求める」旨の被害者の意見陳述書を読み上げた上で、「酩酊状態に乗じて、被害者の人格、人権、を無視した卑劣極まりない犯行」と断罪。甲に懲役8年、乙に懲役5年、丙に懲役4年の実刑を求刑した。これに対し弁護側はあくまで犯行はパーティの延長にあったものとして、事件の計画性を否定し情状酌量をもとめ執行猶予を求めた。
[編集] 判決
2006年9月26日京都地方裁判所(氷室真裁判長)は甲に5年6ヶ月の実刑、乙、丙に5年の執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
氷室裁判長は乙と丙に対し「自己の性的欲求を満たすための犯行」と非難し甲に対し「(他のふたりに比して)その刑事責任は格段に重い」と実刑にした理由を説明した。その一方で「鍋パーティを計画した時点では犯行の意図はなかった」と計画性を否定し「3人とも放校されたうえ就職の内定を取り消され、大きな社会的制裁を受けている」と指摘し「3人とも若く能力も持っている。ゼロから出発して欲しい」と説諭した。
[編集] 影響
日本を代表する大学の学生で、日本を代表するアメリカンフットボール部の部員が起こした事件として世間の注目を集めた。これは、本件の裁判に通常の2倍以上の傍聴者が押しかけたことからもうかがえる。
スポーツライターの玉木正之は「伝統あるところに伝統なし」と批判した。
[編集] 関連項目
カテゴリ: スポーツ関連のスタブ項目 | 強姦